2024年3月
伊藤七段が長考中
現地では現在、島九段と長谷部五段が大盤解説を務めています。後手の2歩損と歩切れ、先手陣の形の悪さ(2六銀・3五歩・3六飛)などをポイントに解説していました。
図の局面。後手は次に△8六歩▲同歩△同角で歩切れ解消を狙っています。以下▲8七歩△6四角▲同角△同歩と進むと、互いに角の打ち込み(▲6三角と△2七角)が生じますが、△2七角のほうが大きな手になりそうです。たとえば△2七角に▲3九飛は△4九角成▲同飛△3八金▲5九飛△4八金で飛車が詰みます。2六銀・3六飛の形の悪さがたたっています。
したがって先手は図で△8六歩を防ぎたいのですが、味のよい受けがあまり見当たりません。最も自然な▲7七銀は△5二飛▲4六角△4五歩が気になります。
先手は3五歩の形もあまりよくありません。歩がひとつ伸びて3四歩型であれば、▲2五歩△1三銀▲3五銀で一気に先手が好形になるのですが……。「▲3四歩の1手が足りていないから(後手は2歩損でも)均衡が保たれているのですね」と島九段。図で▲3四歩はもちろん△8六歩です。
ゆっくりした展開か
対局再開
休憩中の対局室
昼食休憩
トークショー
力戦形
大きな対局を乗り越えて
日光きぬ川スパホテル三日月
日光きぬ川スパホテル三日月の前身となるホテルは1978年に開業。2009年にホテル三日月グループの経営となり、2020年に現在の名称になりました。鬼怒川の渓谷美を一望する温泉湯舎です。屋内スパや屋上プールも名物です。ホテル三日月のYouTubeチャンネルでは、同ホテルの映像を数多く紹介しています。
同ホテルで棋王戦が開催されるのは2年連続2回目。前期は藤井五冠が渡辺明棋王からタイトルを奪取し、史上最年少で六冠を達成しました。伊藤七段(当時五段)は、第13回とちぎ将棋まつりinホテル三日月に出演しています。
ちなみに前期は23年3月19日(日)が対局日でした。その日はNHK杯戦決勝も放送され、藤井棋王は同棋戦初優勝を果たしています。そして今年も本日が棋王戦第4局とNHK杯決勝の放送日。藤井棋王は本局に勝ち、NHK杯戦で優勝すれば、年度勝率における歴代1位記録を達成します。NHK杯戦決勝の相手は、2年連続で佐々木勇気八段です。
【日光きぬ川スパホテル三日月】
https://www.mikazuki.co.jp/kinugawa/
【ホテル三日月YouTube】
https://www.youtube.com/@user-ds6gn1nz3o/videos
(日光きぬ川スパホテル三日月の外観。以下、写真はすべて16日に撮影)
(ホテル内にある、日光東照宮分霊社・鬼怒川三日月神社)