渡辺棋王と藤井竜王、対局関係者は北國新聞会館で行われる、第27回北陸ジュニア棋王戦の開会式に出席しました。北陸ジュニア棋王戦は北國新聞社が主催する大会で、多くの子どもたちが腕を競います。渡辺棋王と藤井竜王、田中寅九段は開会のあいさつを行いました。
(渡辺棋王)
「1局指すと、1つ新しい知らなかったことを覚えることができると思います。負けても今日はいろいろ覚えて強くなったなと思って、今後も続けていっていただきたいと思います」
(藤井竜王)
「私も子どもの頃、こういった大会によく参加していました。大会ですと普段、対戦できない相手ともたくさん対戦できるので、非常にわくわくした気持ちだったことを覚えています」
(田中寅九段)
「皆に1つだけ約束してほしいことがあります。将棋の世界はどんなに頑張っても、どちらかが必ず負けます。その負けたときがいちばん大切です。すごくつらいことですが、正々堂々と一生懸命やって自分が負けたと分かったら、相手にしっかり『負けました』と言いましょう。勝ったほうは、相手に対して一局の将棋を一緒に楽しめた感謝の気持ちを『ありがとうございました』と言いましょう」
(こどもたちの対局を見守る対局者)
以上で金沢対局の中継ブログを終了します。
ご観戦、誠にありがとうございました。
(書き起こし=飛龍、撮影=武蔵)











藤井竜王は▲5一竜に△7八桂成と踏み込んで、寄せ合い勝ちを目指しました。▲6四香△7四玉▲7五銀で王手竜取りがかかるものの、△同竜▲同歩△8三玉のとき、先手に有効な手段が難しく、終局近しと見られています。
上図で渡辺棋王が一分将棋に入りました。二枚角の脅威から避ける玉引きで、辛抱の一着といえそうです。



図の局面で渡辺棋王が5分を使い、残り時間が両者10分となりました。対局室では記録係の秒読みの声が聞かれます。
桂の犠打で、竜が自陣に生還しました。△7三同竜の局面は▲銀銀、△飛の2枚換え。しかし、後手は駒損ながら「馬は自陣に引け」ならぬ、竜を自陣に引いて、先手の玉形と負けず劣らずの手厚い形となりました。
藤井竜王は残り20分を切るまで考え、△7五桂と歩頭に打ちました。▲8七歩に△同桂成を用意し、▲7五同歩は△同竜で竜の動きが楽になります。とはいえ、先手陣は金銀5枚が守る堅陣。簡単につぶれるようなことはなく、局面は長期戦の様相を呈しています。
