2020年12月

2020年12月18日 (金)

20201218j図は19時10分頃の局面。▲4六銀が後手玉の上部を押さえる好手で、糸谷八段が勝ちに近づいているようです。以下(1)△5六銀は▲5三角成△同玉▲5二飛から詰みですし、(2)△4六同銀も、▲同金が▲5三角成△同玉▲5二飛からの詰めろになります。

Dsc_66731 (糸谷八段。第2局が見えてきた)

(睡蓮)

20201218i図は18時40分頃の局面。▲4五歩は▲5二角成までの詰めろで、後手はぴったりした対応が難しそうです。△5六角▲6七金△4五角と持ち駒の角を使って4五歩を消す順は考えられますが、そこで▲4六香が先手の好打になります。糸谷八段が頭一つ抜け出しているのかもしれません。

Dsc_66581 (糸谷八段)

Dsc_66771 (控室には、日本将棋連盟常務理事の鈴木大介九段が姿を見せている)

(睡蓮)

20201218h

図は17時55分頃の局面。糸谷八段は相手の角を捕獲して、▲6三角と打ち込んでいきました。広瀬八段のほうは、角を渡した代償として4筋にと金を作っています。ここで△8七銀と切り込む手が利くかどうかは、大きなポイント。広瀬八段は、少し腰を落ち着けて読みを入れています。

Dsc_66661 (広瀬八段)

(睡蓮)

20201218g図は17時25分頃の局面。ハイペースで手が進んでいます。先手は駒得と玉の堅さが主張といえますが、後手玉に迫るにはまだ攻めの戦力が心細い状態です。後手のほうは、8筋を押し込んでいることと強力な持ち駒がプラスの要素。難解な形勢のまま終盤戦に入りそうです。

Dsc_66621 (糸谷八段。駒数で勝負する)

(睡蓮)

20201218f図は16時50分頃の局面です。広瀬八段が糸谷八段の大駒を目標にしながら陣形を安定させ、そこから反撃に転じています。残り時間は、ともに1時間10分ほど。形勢はまだいい勝負と思われます。

Dsc_65691 (広瀬八段)

(睡蓮)

20201218e図は15時45分頃の局面。糸谷八段が持ち角を盤上に放って、攻め手を作りにいっています。▲2六飛は2八の飛車を浮いた手で、次の▲4六飛~▲6三角成という筋を見せた意味でしょう。相手の歩切れに目をつけています。広瀬八段は、もうしばらくは受けに回る必要がありそうです。

Dsc_66141 (糸谷八段)

(睡蓮)

20201218d図は15時前の局面です。前記事の△7三桂に糸谷八段が1時間2分の考慮で▲3五歩と動くと、広瀬八段は16分の考慮で△6五歩と強く戦う姿勢を見せました。いよいよ中盤戦。ここからは指し手のペースも少し上がるでしょうか。

Dsc_66351 (広瀬八段)

(睡蓮)

20201218c

広瀬八段の再開の一手は△7三桂(上図)。13時33分の着手で、休憩を挟んで1時間31分の考慮でした。次こそ△6五歩と仕掛けようという手です。対する糸谷八段は、前手▲6六歩に続いてここもまとまった時間を使い、50分以上、手を止めています。(1)▲5八金上や(2)▲6七金で後手の仕掛けに備えるほかには、(3)▲3五歩と先にちょっかいを出していくことも考えられるところです。開戦直前の緊張感が盤上に漂っています。

Dsc_66692 (早指し派の糸谷八段だが、慎重に時間を使っている)

(睡蓮)

20201218b_3 時刻は13時30分を回りました。広瀬八段は、まだ再開の一手を指していません。現局面での考慮時間は、1時間30分に達しようとしています。△6五歩と後手から仕掛けていくのか、あるいは右桂を跳ねるなどでもう少し力をためるのか。今後の流れを決める大きな岐路のようです。

Dsc_65792 (広瀬八段)

(睡蓮)

Dsc_66521 (再開直前の対局室。広瀬八段は12時28分、糸谷八段は12時36分に盤の前に戻った)

Dsc_66531

Dsc_66561

Dsc_66631

Dsc_66741 (再開になっても、手番の広瀬八段はすぐには指さなかった。ここの一手の選択は重いようだ)

(睡蓮)