2015年12月

2015年12月21日 (月)

両対局者の棋歴を数字で振り返ります。

両者はこれまでに4回の対戦があり、佐藤(康)九段が1勝、佐藤(天)八段が3勝。対戦成績は佐藤(天)八段がリードしています。
下表で特に目を引くのが先手番の勝率。佐藤(康)九段は0.697、佐藤(天)八段は0.727で、双方とも大きく勝ち越しています。その一方で、後手番では佐藤(康)九段が0.570とやや苦戦。佐藤(天)八段は0.675で7割は切っているものの、高い勝率を維持しています。
本局は佐藤(天)八段が先手番を得ました。振り駒のアヤがどう影響してくるでしょうか。

81

(若葉)

73(対局者がそろったのは9時50分を過ぎた頃。身の回りを整え、一礼してから駒を並べ始めた)

74(駒箱を開けるのは佐藤(康)九段)

71(佐藤(康)九段)

72(佐藤(天)八段。同姓だが、血縁関係はない。佐藤(康)九段は京都府、佐藤(天)八段は福岡県の出身)

(若葉)

ここで準決勝の一局を振り返ります。


第41期棋王戦 挑戦者決定トーナメント準決勝
  日時:2015年11月6日
  先手:佐藤 天彦 八段
  後手:佐藤 康光 九段

51
▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △8五歩
▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △4四歩(A図)
▲2五歩 △3三角 ▲7八金 △3二銀
▲6九玉 △4三銀 ▲7九玉 △2二飛
▲6八角 △7四歩 ▲5六歩 △8二銀
▲4八銀 △7二金 ▲5九金 △6一玉
▲6九金 △5二金 ▲7七桂 △7三桂
▲8九玉 △8三銀 ▲7九金寄 △5四歩
▲5七銀 △6四歩 ▲3六歩 △7一玉
▲9六歩 △8四銀 ▲6六銀 △6三金左
▲3八飛 △9四歩 ▲3五歩 △同 歩
▲同 飛 △3四歩 ▲3六飛 △9五歩
▲同 歩 △同 香 ▲同 香 △同 銀
▲5七角 △8六歩 ▲同 歩 △1五角
▲5五歩 △9六歩 ▲9八歩 △9一香
▲8七香 △5九角成 ▲5六飛 △1五馬
▲7五歩 △5五歩 ▲同 銀 △5四歩
▲6六銀 △6五歩 ▲同 桂 △4二馬
▲4六角 △7五歩 ▲5三歩 △6四歩
▲7五銀 △6五桂 ▲6四銀 △5五桂
▲6三銀成 △同 金 ▲7六飛 △6二玉
▲7四歩 △8四銀 ▲8五歩 △7五銀打
▲5六飛 △5三馬 ▲8四歩 △8六歩
▲8五金 △8七歩成 ▲同 金 △5一玉
▲7五金 △同 馬 ▲8六銀 △7四馬
▲7六飛 △7五歩 ▲6六飛 △6四香
▲9九玉 △7七桂成 ▲同 金 △6六香
▲同 歩 △7六歩 ▲7八金引 △8四馬
▲6五香 △6四歩 ▲7五銀打 △同 馬
▲同 銀 △6五歩 ▲8五角 △6二金
▲7六角 △9七銀 ▲8九桂 △9三香打
▲8七金 △4八飛 ▲8六銀 △同銀成
▲同 金 △9七銀 ▲6八角 △6七金
▲5九銀 △4七飛成 ▲6五角 △7八歩
▲6九金 △4九竜

まで、138手にて佐藤(康)九段の勝ち。

(若葉)

41

定刻の10時、対局が開始されました。
振り駒はと金が5枚。先手番は佐藤(天)八段です。

戦型は角換わり、と思いきや、8手目に△4四歩。佐藤(康)九段は本戦トーナメント準決勝の将棋と同じ形に誘導しました。角交換を拒否して力戦模様です。その将棋で苦杯をなめた佐藤(天)八段は当然、何らかの対策を用意しているはず。どこで工夫を見せるかが序盤の見どころになりそうです。

42_2 (初手▲2六歩を着手する佐藤(天)八段)

(若葉)

21
佐藤天彦八段

   棋士番号  263
   生年月日  1988年1月16日
   出身地   福岡県福岡市
   師匠    中田功七段
   昇段履歴
         2006年   四段
         2009年   五段
         2011年   六段
         2012年   七段
         2015年   八段

タイトル履歴 
   登場: 1回
      王座  1回
   獲得: 0期
 棋戦優勝履歴
   合計: 2回
      新人王戦    2回
 将棋大賞
      第36回  新人賞
      第38回  勝率1位賞、連勝賞

(若葉)

11_2

佐藤 康光(さとう やすみつ)九段

   棋士番号  182
   生年月日  1969年10月1日
   出身地   京都府八幡市
   師匠    田中魁秀九段
   昇段履歴
         1987年   四段
         1989年   五段
         1992年   六段
         1993年   七段
         1997年   八段
         1998年   九段

 タイトル履歴 
   登場: 37回
   獲得: 13期
      竜王  1期
      名人  2期
      棋王  2期(第32期、第33期)
      王将  2期
      棋聖  6期(永世棋聖)
 棋戦優勝履歴
   合計: 11回
      銀河戦        3回
      大和証券杯最強戦   1回
      NHK杯       2回
      日本シリーズ     2回
      早指し新鋭戦     2回
      勝抜戦5勝以上    1回
 将棋大賞
      第18回  新人賞
      第20回  技能賞
      第21回  最多勝利賞、最多対局賞、連勝賞、殊勲賞
      第23回  技能賞
      第25回  技能賞
      第26回  殊勲賞
      第29回  連勝賞、技能賞
      第30回  敢闘賞
      第32回  技能賞
      第33回  敢闘賞
      第34回  最優秀棋士賞、最多対局賞、最多勝利賞、升田幸三賞
      第35回  優秀棋士賞
      第37回  名局賞
      第39回  升田幸三賞

(若葉)

第41期の挑戦者を決める戦いもいよいよ大詰め。挑戦者決定戦二番勝負を迎えました。

約1年に渡って行われてきたトーナメントを勝ち抜いたのは、棋王2期の実績を持つ佐藤康光九段と、2015年度の対局数・勝数ランキングで1位と絶好調の佐藤天彦八段です。両者は本戦トーナメントの準決勝でも対戦しており、佐藤(康)九段が138手で熱戦を制しました。敗者復活戦を勝ち上がった佐藤(天)八段にとって、本局はリベンジマッチです。

佐藤(康)九段は勝てば第35期以来、6年ぶりの挑戦。一方の佐藤(天)八段は、棋王初挑戦の可能性を第2局につなげることができます。注目の一戦をものにするのはどちらでしょうか。対局は本日10時より、東京・将棋会館で行われます。

インターネット中継は棋譜・コメント入力を八雲、本ブログを若葉が担当します。
どうぞよろしくお願いします。

31(対局が行われるのは将棋会館4階の「特別対局室」)

32(今日の東京は曇後晴の予報。西日本は雨模様のようだが、千駄ヶ谷周辺はすでに晴れている)



(若葉)