2013年12月24日 (火)

先手の狙いは▲4六歩

53図は13時55分頃の局面。ここで三浦九段が長考しています。
控室には中川大輔八段と片上大輔六段が来訪して検討中です。

中川「後手の指し手が難しいね」
片上「とりあえず△3三角が形でしょうか」(片上)
中川「ほう強く角を」
片上「え、強く……。そうか▲7一角が打てますね。いたたた」

補足しますと、△3三角に▲4六歩△同歩▲同銀△4五歩▲3五歩△同銀直▲同銀△同銀▲3三角成△同桂▲7一角(参考図)の筋があるということ。もちろんこれは直線的に進めた結果で、実戦でこのように進むことはありませんが、△3三角と上がると途中の▲3五歩の当たりがきつくなるため手抜きが利きにくくなる意味があって危険ということになります。

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「▲4六歩はなかなか嫌な筋なんですよ。だから後手は何か動かなくちゃいけないと思います。△9四歩は突きたいけど、▲4六歩と来られたときにちょっと自信がない。スピードを付けるなら△7五歩▲同歩△9四歩というのもあるかな。後手はここでヘタな手を指すといっぺんに危険になるから、難しい局面ですよ」(中川八段)

実戦は中川八段の予想がズバリと当たり△7五歩が指されています。消費時間は▲永瀬1時間4分、△三浦1時間38分。


(八雲)