2009年1月 8日 (木)

挑戦者インタビュー

挑戦権を獲得した久保八段、感想戦終了後に改めて行われたインタビューです。

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--挑戦権獲得、おめでとうございます
「ありがとうございます」

--今期は敗者戦から勝ち上がりました
「内容的にはいい将棋が多かったと思います。確かに2回勝つのは大変ですが、8年前も敗者戦からの連勝だったので相性の良さも感じていました。敗者戦は道のりが長いので、上を見ずに1局1局集中しようと思いました」

--第1局を終えて年越しでしたが
「いい内容の将棋が続いていたので不安はなかったです」

--今日の内容はいかがでしたか
「自分らしさが出せたかな。いい内容だったと思います」

--今年度は他の棋戦も好調ですね
「流れはいいかなと自覚しています。勝負にこだわらなくなったと思います。やるからには勝つつもりでやるけれども、自分のできることだけやろうと。『自分でコントロールできることだけ』というのがいい方向に向いているんじゃないですかね」

--今日の対局を臨む前はどのように過ごしたましたか
「前日から普通に過ごしました。やっぱり普通に過ごすことが大事。睡眠時間も普段通りでした」

--終局直後の感情は、何か湧き上がってきたでしょうか
「結構落ち着いていました。そういうところが前とは変わったかなと思います。感情が激しくゆれたりしなくなりましたね。今日は楽しもうとだけ思っていました」

--挑戦者になるという大一番でそういう気持ちになられたことはあるのでしょうか
「ここまで落ち着いているのは初めてです。タイトル戦もこの感じでいけそうな気がします」

--厳しい勝負の中で、楽しく指すという気持ちになるのは
「自分の中でのテーマにしています。楽しめない時もありましたけど、勝った負けたじゃなくて楽しもうと。二十代のときはそんな余裕はなく、負けることに意味がないと思っていました。でも負けても進化するために負けたと思えばいい。棋士やっていれば何百回も負けますから。僕ももう200回以上負けていますし、気にしていても…」

--棋王戦は8期ぶりの挑戦です
「初めて出たタイトル戦で思い入れがありますので、相性の良さも生かしてがんばりたいです」

--佐藤康光棋王の印象をお聞かせください
「佐藤さんとのタイトル戦は初めて。今まで出たタイトル戦はすべて羽生さんとだったので、新鮮な気持ちでやれると思います。局数もやっているのである程度のことはわかっているが、それはお互い様。しっかり準備して戦いたいです」

--将棋ファンに五番勝負の抱負を
「タイトルを取るための準備を、今からしていきたいと思います」