本局で使用される駒は、芝苑所蔵の影水作、水無瀬書の逸品です。

（女流棋戦で使われるのは初めてとのこと）

（使いこまれて王将の駒尻の「水」の漆が欠けている）

皆さんこんにちは。

加藤桃子女王と西山朋佳奨励会二段が戦う第４期リコー杯女流王座戦五番勝負第３局は、11月29日（土）10時より、大阪市「芝苑」で行われます。
ここまで加藤女王の２連勝。加藤女王が３連勝で自身初の女流二冠となるか、西山二段がタイトル戦初勝利を挙げるか。

立会人は淡路仁茂九段、記録係は桝田悠介三段（21歳、井上慶太九段門下）。本局ではTwitter解説が行われ、阿部光瑠五段が担当します。

本局の模様は棋譜・コメントを潤記者、ブログを翔が担当いたします。

検分、前夜祭の模様は後ほど更新いたします。

対局場の芝苑のサイトでも、対局の模様を写真を中心に紹介されます。併せてお楽しみください。

本局の棋譜。

第４期リコー杯女流王座戦五番勝負第２局の中継は以上で終了いたします。
ご観戦誠にありがとうございました。

第３局は11月29日（土）大阪市「芝苑」で行われます。
どうぞお楽しみに。

両者は揃って大盤解説会場へ。歩きながら口頭で感想戦を行っていた。

会場では矢内女流五段が対局者をリードして感想戦が行われた。

２連勝でタイトル獲得に王手をかけた加藤女王。

【加藤女王インタビュー】
―― 昨年敗れた場所で勝利を挙げました。
「昨年に続いて対局させていただいたのですが、地元と言うこともあって勝ちたい気持ちがあったので、勝つことができて良かったです」
―― 一局を振り返っていかがでしたか。
「昼食休憩に入るまでは、西山さんの構想がなるほどと感心してしまって、先手番なのに苦戦かなと感じていました。再開後は少しペースを握れたかと思ったのですが、ちょっと無理をしてしまって、ものすごく危なくなってしまって……。最後までよくわからない将棋でした」

２連敗と追い込まれた西山奨励会二段。

【西山奨励会二段インタビュー】
―― 本局を振り返っていかがでしたか。
「前局の反省を生かして、序盤で離されないように頑張っていたつもりだったのですが……。全力を出せたとは思いますが、ちょっと力が足りなかったです」

図の▲７五金で先手玉が安全になり、控室では「さすがに先手が勝ちになった」と言われています。

徳川慶喜公が自らの手で植えたと伝わる「台湾竹」。秋に筍が出てくる珍しい竹とのことだ。

図は16時20分過ぎの局面。消費時間は▲加藤２時間44分、△西山１時間35分。
形勢はまだ先手が残していると見られていますが、差は広がっていないようです。「残り時間の差を考えると、先手がつらいかもしれません」と渡辺二冠。加藤女王の踏ん張りどころです。

16時30分過ぎ、実戦は図から▲６五同金△同角▲７六歩と進みました。
「なるほど、△７六同角なら▲８七銀打と打って先手をとってしのごうということですね。これは冷静な対処です。加藤さんがうまく余したかもしれません」（渡辺二冠）

静岡市では12月初旬に「国際将棋フォーラムin静岡」が開催される。

図は15時55分頃の局面。消費時間は▲加藤２時間33分、△西山１時間17分。
控室で「先手が勝勢に近い」と言われていた局面から、西山奨励会二段が粘りを見せ、決め手を与えずに頑張っています。先手もここで決め損ねると、嫌な展開になってきます。ここ数手が終盤の勝負どころになりそうです。

出来上がったばかりの女流棋士会カレンダー（2015年版）。現地にて販売されている。