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- まずは、本戦入りおめでとうございます。
- 矢内
- ありがとうございます。
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- この対局は小山田アマということでしたが、どのような心境で対局に臨みましたか?
- 矢内
- プレッシャーが全くなかったと言えば、嘘になるんですけど、調べることが出来る範囲で小山田さんの将棋を調べてみて、強い相手ということが分かりました。(事前に調べていたため)わりと今朝は普段どおり落ち着いて対局に挑むことができました。
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- 結構相手を研究したのでしょうか?
- 矢内
- 研究というまでではありませんが、どんな将棋かな?という程度ではありますが、事前に棋譜を並べてみておきました。
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- その時に、小山田さんの将棋に対して受けた印象はいかがでしたか?
- 矢内
- 攻め将棋で、終盤が鋭い、という印象を受けました。特に、リコー杯女流王座戦の二次予選で対早水女流二段戦の将棋が印象的でした。ただ、今回は持ち時間が3時間ありますので、普段どおり落ち着いて考えていこうと思っていました。
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- 今日のゴキゲン中飛車は、あらかじめ決めていましたか?
- 矢内
- はい。最近、中飛車を多く採用していますので、今日も中飛車かな、と。
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- 最近、中飛車を多用し、今日も採用したのは、自分のスタイルを変えようとしているのでしょうか?
- 矢内
- そこまで強い考えがあってのことではないのですが、たぶん小山田さんが飛車を振らないと思いましたので、中飛車がいいかな、といった感じでした。相手が振り飛車党ですと、初手5六歩はちょっと指しにくいので・・・。
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- なるほど。では、居飛車穴熊に組んでくることも想定済みだったのでしょうか?
- 矢内
- はい。棋譜を並べた中にそういう将棋がありましたので、想定はしていました。
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- では、今日の対局の中で、指し易さを感じたところは、どの辺りからでしょうか?
- 矢内
- そうですね、60手目の△2四歩あたりから、▲6八歩と竜の動きを打診する一連の流れは、こちらがやや良くなったかな、と感じました。
感想戦でもありましたが、△2四歩の代わりに△5六歩と垂らすような手などがありましたが、いずれにしてもあの時点では、こちらが悪いとも思いませんでしたが、かと言って良いとも思っていませんでした。まだまだ難しい局面でした。 - --
- ということは、△2四歩は、かなり意外な手であったということですね。
- 矢内
- そうですね。全く読みの中にはない手でした。
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- ちょっと後手側として損な手でしたね。
- 矢内
- 実は、その辺が小山田さんの棋風が出たのかもしれませんね。つまり、攻めたいから早く桂馬を手にしたい、ということだったかもしれません。展開として彼女から動くということになったのも、そうだったと思います。
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- 本戦トーナメント入りしましたが、抱負を聞かせて下さい。
- 矢内
- 1局1局の積み重ねなので、全力を尽くして、なるべく上までいきたい、と思っています。一回戦は竹部女流三段なので、どんな将棋になるか楽しみでもあり、怖くもあり(笑)、という感じですね。
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- 初代女流王座のタイトル獲得を期待しています。
- 矢内
- ありがとうございます。
2011年6月30日 (木)
二次予選終了、いよいよ本戦トーナメントへ
感想戦
終局直後
終局
雨が降り出す
急転
互角のさばき合い
図は13時50分頃の局面。矢内女流四段が5三の竜を8三に逃げたところだ。激しい展開から互角のさばき合いになり、均衡のとれた局面を迎えている。控室の片上六段は局面を見て、「いい勝負です。しかし手が見えにくい局面ですね。読まないと手がわからない。悪手が出そうな局面でもあります」と話した。候補手は△5六歩。これにと金作りを防いで▲5八歩なら、先手は歩切れになるので後手は得をするわけだ。そこで再び考えることになるが、「△2四銀と打っておく手はあるかもしれない」と片上六段。穴熊の端は大事な玉頭でもある。ここを守っておく手は損にならないだろう。
実戦は△2四歩▲1三桂成△同銀▲6八歩(下図)と進んだ。
これが14時頃の局面。小山田アマはすぐに△2四歩と桂を取りにいった。対する矢内女流四段は▲1三桂成△同銀で香を取ってから▲6八歩。竜の動向を聞いている。竜の行き先は7八か6一か。
(文)
夏越の祓
ポーランドからの来客
13時35分頃、控室を片上大輔六段が訪れた。今日はゲストと一緒のようだ。
写真左が片上六段、右がカロリナさん。将棋好きが高じてポーランドから日本に来たそうだ。インターネット対局サイト「81-Dojo」で高段の実力があり、東京・将棋会館の道場でも四段の認定を受けたそうだ。将来、本棋戦の予選に姿を現す日も来るかもしれない。
(文)