2011年6月30日 (木)

矢内理絵子女流四段インタビュー

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まずは、本戦入りおめでとうございます。
矢内
ありがとうございます。
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この対局は小山田アマということでしたが、どのような心境で対局に臨みましたか?
矢内
プレッシャーが全くなかったと言えば、嘘になるんですけど、調べることが出来る範囲で小山田さんの将棋を調べてみて、強い相手ということが分かりました。(事前に調べていたため)わりと今朝は普段どおり落ち着いて対局に挑むことができました。
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結構相手を研究したのでしょうか?
矢内
研究というまでではありませんが、どんな将棋かな?という程度ではありますが、事前に棋譜を並べてみておきました。
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その時に、小山田さんの将棋に対して受けた印象はいかがでしたか?
矢内
攻め将棋で、終盤が鋭い、という印象を受けました。特に、リコー杯女流王座戦の二次予選で対早水女流二段戦の将棋が印象的でした。ただ、今回は持ち時間が3時間ありますので、普段どおり落ち着いて考えていこうと思っていました。
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今日のゴキゲン中飛車は、あらかじめ決めていましたか?
矢内
はい。最近、中飛車を多く採用していますので、今日も中飛車かな、と。
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最近、中飛車を多用し、今日も採用したのは、自分のスタイルを変えようとしているのでしょうか?
矢内
そこまで強い考えがあってのことではないのですが、たぶん小山田さんが飛車を振らないと思いましたので、中飛車がいいかな、といった感じでした。相手が振り飛車党ですと、初手5六歩はちょっと指しにくいので・・・。
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なるほど。では、居飛車穴熊に組んでくることも想定済みだったのでしょうか?
矢内
はい。棋譜を並べた中にそういう将棋がありましたので、想定はしていました。
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では、今日の対局の中で、指し易さを感じたところは、どの辺りからでしょうか?
矢内
そうですね、60手目の△2四歩あたりから、▲6八歩と竜の動きを打診する一連の流れは、こちらがやや良くなったかな、と感じました。
感想戦でもありましたが、△2四歩の代わりに△5六歩と垂らすような手などがありましたが、いずれにしてもあの時点では、こちらが悪いとも思いませんでしたが、かと言って良いとも思っていませんでした。まだまだ難しい局面でした。
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ということは、△2四歩は、かなり意外な手であったということですね。
矢内
そうですね。全く読みの中にはない手でした。
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ちょっと後手側として損な手でしたね。
矢内
実は、その辺が小山田さんの棋風が出たのかもしれませんね。つまり、攻めたいから早く桂馬を手にしたい、ということだったかもしれません。展開として彼女から動くということになったのも、そうだったと思います。
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本戦トーナメント入りしましたが、抱負を聞かせて下さい。
矢内
1局1局の積み重ねなので、全力を尽くして、なるべく上までいきたい、と思っています。一回戦は竹部女流三段なので、どんな将棋になるか楽しみでもあり、怖くもあり(笑)、という感じですね。
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初代女流王座のタイトル獲得を期待しています。
矢内
ありがとうございます。