図は13時50分頃の局面。矢内女流四段が5三の竜を8三に逃げたところだ。激しい展開から互角のさばき合いになり、均衡のとれた局面を迎えている。控室の片上六段は局面を見て、「いい勝負です。しかし手が見えにくい局面ですね。読まないと手がわからない。悪手が出そうな局面でもあります」と話した。候補手は△5六歩。これにと金作りを防いで▲5八歩なら、先手は歩切れになるので後手は得をするわけだ。そこで再び考えることになるが、「△2四銀と打っておく手はあるかもしれない」と片上六段。穴熊の端は大事な玉頭でもある。ここを守っておく手は損にならないだろう。
実戦は△2四歩▲1三桂成△同銀▲6八歩(下図)と進んだ。
これが14時頃の局面。小山田アマはすぐに△2四歩と桂を取りにいった。対する矢内女流四段は▲1三桂成△同銀で香を取ってから▲6八歩。竜の動向を聞いている。竜の行き先は7八か6一か。
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