2023年3月19日 (日)

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Dsc_3754(午前中、検討する屋敷九段と鈴木九段)

△9二香は▲7一桂成△同飛▲8三角成から▲9三馬があります。控室の本命は△7二金で、▲9一桂成△同飛と進めば▲6五香の田楽刺しや▲8三角成を消しています。

しかし、実戦の指し手は違いました。昼食休憩を挟み、54分の考慮で△6五歩です。

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△6五歩とはすごい手です。▲同桂で攻めを呼び込むからで、その代償は何かがパッとは浮かびません。▲6五同桂に△9三香はあるでしょうか。▲8五桂と香を取りにいく手がないので、8筋の桂がぼけてしまう可能性があります。

(紋蛇)

Dsc_3785(藤井竜王が先に戻った)

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Dsc_3801(渡辺棋王)

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Dsc_3809(13時に対局が再開されても、藤井竜王は扇子を手に取ったまま。しばらく考える雰囲気だった)

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(紋蛇)

Dsc_3773(昼食休憩時の対局室)

Dsc_3775(現局面)

Dsc_3777(渡辺棋王の玉将。本局に使用されている駒は宗歩好なので、双玉である)Dsc_3778 (藤井竜王の玉将)

Dsc_3779(対局室から見える景色)

Dsc_3783(下をのぞき込むと、鬼怒川が流れている)

(紋蛇)

202303196312時、図の局面で藤井竜王が31分考えて、昼食休憩に入りました。消費時間は☗渡辺56分、☖藤井1時間28分。昼食注文は渡辺棋王が「栃木和牛のステーキ丼」。A5ランクの和牛を使用した逸品です。藤井竜王は「鹿沼にらの玉子とじと八汐鱒の押し寿司」。玉子とじは、鹿沼市名産品のニラと日光御養卵をふんだんに使いました。八汐鱒は中禅寺湖の名産です。対局は13時に再開されます。

Dsc_3760(渡辺棋王の昼食)

Dsc_3767(藤井竜王の昼食)

(紋蛇)

対局場の「日光きぬ川スパ・ホテル三日月」では、「とちぎ将棋まつり」が開催されています。午前中は将棋大会と指導対局で、午後から大盤解説会も行われます。

指導対局は広瀬八段、戸辺七段、竹部女流四段が担当していました。

Dsc_3740(指導対局)

Dsc_3753(広瀬八段。ちょうど感想戦を行っていた)

Dsc_3746(戸辺七段)

Dsc_3744(竹部女流四段。イチゴのワンピースにネックレスと、栃木県の名産地に敬意を表した?格好だ)

(紋蛇)

午前のおやつは、渡辺棋王が「とちあいかの生チョコタルト」。イチゴの名産地、栃木のニュースター「とちあいか」が使われたタルトです。藤井竜王は「きぬの清流(大納言・スカイベリー)」。鬼怒川で半世紀以上愛されている銘菓です。飲み物はともにアイスコーヒーでした。

Dsc_3726(渡辺棋王のおやつ)

Dsc_3716_2(藤井竜王のおやつ)

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(大納言・スカイベリーの2種類)

(紋蛇)

2023031945戦型は角換わりになり、渡辺棋王が早々に▲4五桂と仕掛けます。前例は18局(先手11勝、後手7勝)で、▲4五桂に代えて▲5六歩のほうが多数派でした。
本譜は▲4五桂に△2二銀▲7五歩△6三銀▲7四歩△同銀▲5六角と進みます。△6三銀から前例を離れました。

2023031951先手は桂頭攻めで手にしようとしています。△6三銀は▲7四歩なので、△6五歩▲同歩△4四角が実戦の進行です。

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△4四角は先手玉のコビンを狙い、△6五桂や△6五銀、また△8六歩を組み合わせて迫ろうとしています。攻めを重視した角打ちで、△4四歩が突けなくなるので桂をタダ取りすることはできません。。また壁銀も気になるところです。渡辺棋王は△4四角に▲7九玉とかわしました。

(紋蛇)