2023年12月21日 (木)

Img_6107 再開前、両者ともに早めに盤の前に戻って来ていた。様子を見に来ているのは別室で竜王戦を対局する森内俊之九段。

Img_6117 対局が再開されると広瀬九段はすぐに△3一玉を着手した。

Img_6112 伊藤七段が表情を鋭くして盤を見つめている。

Img_6123挑決の大一番は午後の戦いへ。

(八雲)

202312213712時、図の局面で広瀬九段が6分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲伊藤53分、△広瀬41分。昼食の注文は、伊藤七段が「生姜焼き定食」(ふじもと)、広瀬九段が「チキン山椒焼き弁当」(鳩やぐら)。対局は12時40分に再開します。

Img_6102 生姜焼き定食(ふじもと)

Img_6105 チキン山椒焼き弁当(鳩やぐら)

(八雲)

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注目の振り駒は「と金」が3枚で先手番は伊藤七段に決まった。

Img_6057 気息を整えて対局開始を待つ。

Img_6059 伊藤七段の初手は▲2六歩。

Img_6064 広瀬九段は1分少々使ってから△3四歩と応じた。

2023122111_2戦型は、後手が振り飛車含みの手順から9筋の位を取り、角換わりを誘いました。図から△3三同金と取る格好が通常の角換わり戦と異なるところです。

(八雲)

Img_6027 両者ともに9時45分前に対局室に入り、荷物を置いてからいったん退室していた。写真は50分頃に広瀬九段が戻って来たところ。

Img_6031 上座の広瀬九段が駒を取り出した。

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Img_6053 広瀬九段(奥側)は大橋流、伊藤七段(手前側)は自信の名前と同じ伊藤流で駒を並べている。

Img_6024 両対局者の手元には協賛のカロリーメイトと、販売元の大塚製薬のポカリスエットが置かれている。

(八雲)

2023年12月20日 (水)

藤井聡太棋王への挑戦権を争う第49期棋王戦挑戦者決定二番勝負は、12月21日(木)に東京・将棋会館で第1局が行われます。挑戦者決定トーナメントを勝ち上がってきたのは、広瀬章人九段と伊藤匠七段。無敗で勝ち上がった広瀬九段は、二番勝負で1勝すれば挑戦権を獲得します。1敗で敗者復活戦を勝ち上がった伊藤匠七段は、2連勝で挑戦権を獲得します。持ち時間は各4時間。先後は振り駒で決定します。

【動画中継のお知らせ】
本局の模様はABEMAでライブ配信します。
・ABEMA将棋チャンネル
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・番組紹介
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【共同通信社】(主催)
http://www.kyodo.co.jp/


本局の中継は棋譜コメントを文、本ブログを八雲が担当いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

2023年3月20日 (月)

一夜明けて、改めて記者会見が行われました。

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――改めていまの気持ちは。

タイトル数自体はそれほど意識することはないんですが、これからしばらく防衛戦が続く中で棋王戦で挑戦する機会を得ることができて獲得できたのはうれしい結果だったかなと感じています。

――今シリーズで収穫や課題はあったか。

棋王戦は持ち時間は4時間でほかのタイトル戦と比べると短いほうなので、時間配分を意識して指せればと思っていて、その点はこれまでと比べるとうまくいったところもあったのかなと思います。今回のシリーズは中盤以降、非常に複雑で難解な局面を迎えることが多くて、その中でうまく判断できないところもあったと思うので、そこは課題だったかなと思います。

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――今年度最後の対局で六冠ということで最高の結果ではなかったか。また新年度への抱負について。

今年度振り返ると、勝率という点でこれまでと比べて高いわけではないんですけど、全体を通して勝負強く指すことができたというか、タイトル戦でも大変なシリーズが多かったんですけど、粘り強く指して結果につなげられたのは大きな収穫だったかなと感じています。新年度も4月から名人戦、叡王戦をはじめ大きな対局が続くので、しっかりいい状態で臨めればと思いますし、そういった中で実力を高めていけるように取り組んでいければと思います。

――最年少記録のプレッシャーがかかっていたのではないか。

今回のシリーズは多くの方から大きな注目をいただいてそれ自体はありがたいことなんですけど、そのことを自分自身が対局に臨むにあたって意識してしまうと過度のプレッシャーになってしまうので、大きな対局であっても普段と変わらない気持ちで指せればそれが一番いいのかなと思っています。

――リラックス方法はあるか。

今回もそうなんですけど、タイトル戦は普段行けないところに行けることも多いので、自分としてはそうしたことも楽しみの一つにはなっています。

――昨日贈られた栃木のいちごはどうだったか。

すいません、まだいただいていないんですけど(笑)、楽しみにしたいと思います。

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――これから自由に行動できるようになってくる。将棋以外で何かしてみたいことはあるか。

これまでと何か大きく変わるということではないんですけど、今回もこちらに来るときに東武線に初めて乗ることができて楽しかったので、そうした鉄道に乗る機会を少しずつ増やしていければと思っています。

――名人戦が始まる。渡辺名人の将棋についての発見や課題など。

今回の棋王戦はすべて角換わりの将棋になったんですけど、その中でお互い玉の薄い陣形のまま戦いになることが多く、渡辺名人は不安定な玉形をうまくまとめられてしまったことも多かったので、そのあたりの判断力をもっと高めていかないといけないなと感じました。名人戦は持ち時間が9時間ということで公式戦の中でも一番長い対局になるので、その点も踏まえてしっかりいい将棋が指せるように頑張りたいと思います。

――叡王戦の挑戦者が菅井竜也八段に決まった。振り飛車党とのタイトル戦は初めて。

菅井八段は振り飛車党で対抗形を中心としたシリーズになるかなと思っているんですが、自分自身の公式戦でも振り飛車の将棋は少なかったので新鮮な感じもありますし、それに向けてしっかり準備していければと思います。

――判断力を高めることに向けてどう準備するか。

棋王戦含めて今期の対局を振り返ると、長考した場面で適切な判断ができなかったことがけっこう多かったと思うので、やっぱり読みだけではなくて、複雑な局面であっても俯瞰的に捉えて判断する力が足りていないと感じる場面が多かったかなと思っているので、名人戦まであと2週間くらいしかないので、すぐに改善するのは難しいんですけど、名人戦でもそうした課題意識を持ってやっていければと思っています。

――六冠達成について気持ちの変化はあるか。

棋王を獲得することができて喜びもあるんですけど、すぐ名人戦をはじめ大きな対局も近くにあるので、まずは名人戦に向けて気持ちを向けて取り組んでいけたらと思います。
――瀬戸市の方々へのメッセージがあれば。
地元の瀬戸市の方々にいつも応援いただいて励みになっています。一つのよい報告ができてよかったなと思いますし、自分のことをきっかけに将棋に関心を持ってもらえる方が少しでも増えれば本当にうれしく思います。

――六冠と揮毫した色紙を持っての気持ちは。

先ほどタイトル数自体はそれほど意識はしないという話はしたんですけど、結果を出すことができたうれしさは改めて実感するところもあったかなと思います。少し照れくさいというところもあったんですけど、六冠は非常に光栄なことだと思うので、立場に見合う将棋が指せるようこれから努めていければと思います。

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これで第48期棋王戦コナミグループ杯の中継は、終了いたします。ご観戦いただき、ありがとうございました。第49期の予選はすでに始まっておりますので、お楽しみに。

(撮影=紋蛇、書き起こし=文)