2017年2月18日 (土)

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五番勝負第2局は渡辺棋王が逆転で制し、シリーズ成績を1勝1敗としました。終局時刻は19時15分。消費時間は▲渡辺3時間54分、△千田3時間59分。第3局は3月5日(日)、新潟県新潟市「新潟グランドホテル」で行われます。
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竜を切って踏み込んだ千田六段でしたが、図の局面まで進んでみると逆転模様になったようです。千田六段が一分将棋なのに対して渡辺明棋王は13分残しています。

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図から千田六段が△5七銀▲同角△8五桂打▲6七玉に△7八竜▲同玉△1八飛成と竜を切って踏み込みました。果たして決まっているのでしょうか。局面は大詰めを迎えています。

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(琵琶)

18時20分、千田六段が残り2分まで考えて△2三金と上がりました。「これは明らかに変ですね」と控室はどよめいています。後手変調との声が聞かれ、渡辺棋王の次の一手が明暗を分けそうです。

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(モニターを見つめる森内九段、広瀬八段、井道女流初段)

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18時、図の局面を迎えました。残り時間は先手の45分に対して後手はわずか9分です。先手にとって後手の残り時間が少ない点が拠り所ですが、立会人の森内九段は「差が開いてしまったのがつらいです」と語っています。後手は敵陣の竜と自陣の飛車の利きが強力なうえに、自玉に適した詰めろが掛からない状態で「後手は読みやすい状況です」と森内九段は話していました。

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17時過ぎ、控室では青野九段の検討に立会人の森内九段が加わりました。形勢は依然として後手の千田六段が優勢といわれています。渡辺棋王は袖をまくり上げて着手するお得意のポーズを出して懸命に追い上げます。

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(後方は観戦記担当の野間俊克指導棋士六段)

検討に使われている駒は塩井氏所有の増山酔棋氏作の森内俊之永世名人書です。森内九段が永世名人になった際に作られた逸品で、この世に2組しかないそうです。森内九段も感慨深げに継ぎ盤の駒を動かしていました。

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(実戦は厳しいと検討されていた△7七歩が指された)

(琵琶)