2020年2月16日 (日)

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第2局は本田五段が制して五番勝負のスコアを1勝1敗としました。終局時刻は17時40分。消費時間は、▲本田3時間42分、△渡辺3時間16分。第3局は3月1日(日)に新潟県新潟市「新潟グランドホテル」で行われます。

(玉響)

2020021688図は17時30分頃の局面。残り時間は▲本田26分、△渡辺45分。
控室では、図の局面で森内九段が▲5八飛△同竜▲7三馬と決めにいく順を指摘しました。以下△7三同金は▲6二金以下の詰みがあります。▲7三馬に△6二銀と受ければまだ難しいですが、流れは再び先手に傾いたと見られています。

Img_0283 控室の検討陣。

(八雲)

2020021678図は16時30分頃の局面。
先手は一気に勝負を決めにいく勢いで踏み込みましたが、図の局面で本田五段が手を止めています。何か誤算があったのかもしれません。
現局面について、控室で検討していた山根女流二段に話を聞きました。
「▲6五銀△同銀▲6四歩△5四金に▲5七桂と打ち、△4六飛に▲6五飛と走って決めにいきたいのですが、以下△4八飛成▲6三歩成△5一玉で、後手玉が意外につかまらないようです。この▲6五飛が決め手にならないというのが誤算だったのかもしれません。ただ、▲6五銀△同銀▲6四歩△5四金まで決めてから▲4七歩と受けておけば、まだ先手がいいのではないでしょうか」(山根女流二段)

Img_0276 将棋まつりの会場では長谷部四段のサイン会が行われている。地元期待の若手棋士ということで、今日一番の行列ができていた。

(八雲)

2020021669図は15時30分過ぎの局面。▲6九飛までの消費時間は▲本田2時間45分、△渡辺2時間16分。
先手は▲4五歩と攻めてから、さらに▲6六歩と6筋でも動いて戦線を拡大しています。この積極的な動きを控室の検討陣は評価しており、先手好調な流れと見ています。後手陣は2二銀、3二金の2枚がつらい形で、勝ちづらい将棋になっているようです。

Img_0114 タイトル初挑戦の2戦目で手が伸びている雰囲気の本田五段。この優位を勝利に結びつけることができるか。

(八雲)

15時を回り対局者におやつが運ばれました。注文は本田五段が「ケーキセット(オペラ)」と「アイスコーヒー」、渡辺棋王は「ブレンドコーヒー」のみです。

Img_0263 ケーキセット(オペラ)とアイスコーヒー。

Img_0265 ブレンド。

Img_0273 撮影用のおやつは、地元(栃木県小山市)出身の長谷部四段に食べてもらった。オペラケーキはフランス菓子で、ガナッシュ(生チョコレート)とバタークリームを層にしたものをチョコレートで覆ってある。
「濃厚で甘めのケーキがブラックのコーヒーとマッチしてとても美味しいです」(長谷部四段)

(八雲)

202002166114時27分頃、本田五段は玉を7九まで囲ってから▲4五歩と攻めました。本局で初めて、先手が攻める意思を明快に見せた手です。満を持した開戦に見えますが、渡辺棋王はどう対応するのでしょうか。

Img_0232 本田五段が攻勢に出ている。

Img_0235 渡辺棋王はどう応じるか。

(八雲)

2020021653図は昼食休憩明けに本田五段が1時間18分の長考で▲6六角と打った局面。
「△4四歩を見て、ここが勝負を分ける重要な局面と見ての長考でしょうね。▲6六角は、こちらから打つわけですか。私は▲2六角を考えたけど、それは△3三銀でいまひとつだと思いました。▲6六角も4四の歩を狙う意味は同じですが、もう一つ▲9四歩の端攻めを狙う含みもあるんですね。なるほど、いい手です。この手の成否で勝負の趨勢が決まりそうですよ」(田中寅九段)

Img_0118 本田が五段が勝負どころで迫力ある長考を見せた。

(八雲)