後手のゴキゲン中飛車
後手の渡辺棋王がゴキゲン中飛車を採用。前夜祭の見どころ紹介で佐藤康九段が予想していた戦型だ。「そんなに難しくはなかったと思うんですけど」と話している。
渡辺棋王は前期棋王戦五番勝負の新潟対局でも後手番でゴキゲン中飛車を指していた。
【第41期棋王戦五番勝負第3局 ▲佐藤天彦八段(当時)-△渡辺明棋王】
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/41/kiou201603060101.html
(吟)
開始直前の対局室
対局開始
おはようございます
棋王戦第3局は9時対局開始です。本日のスケジュールは以下の通りです。
9時 対局開始
10時 午前のおやつ
11時 現地大盤解説会開始
12時 昼食休憩
13時 対局再開
15時 午後のおやつ
? ? 終局
本局のニコニコ生放送は解説が広瀬章人八段、聞き手を室谷由紀女流二段が務める。
下記URLからお楽しみいただけます。
【ニコニコ生放送 棋王戦第3局】
http://live.nicovideo.jp/watch/lv287418027
本日もよろしくお願いいたします。
(吟)
第3局 大盤解説情報
前夜祭 見どころ紹介
両対局者が退室したあと、佐藤康光九段、飯島栄治七段、高野智史四段、山口恵梨子女流二段が明日の見どころを話した。
山口「まずは戦型予想をお願いします。佐藤九段」
佐藤「1局目が角換わり、2局目が矢倉ということですから、相居飛車戦だろうと思いますが……いえ、わかりました。読みきりました」
山口「え!」
佐藤「いえ、単に思いついただけなんですけど(笑)。渡辺棋王の中飛車を予想します。実は去年の第3局で渡辺さんの中飛車だったと思うんですね。後手番で中飛車を最近多用されるということもありますので、中飛車と予想したいと思います」
山口「中飛車になるのでしょうか。続いて飯島七段お願いします」
飯島「戦型予想の前に、千田六段の先手ですよね。初手に何を指すのでしょう。▲7六歩とは突かないと思うんですよ」
山口「お! 初手▲7八金(第1局)ですね」
飯島「はい。あれもかなり意外でしたよね。ぼくは初手▲5八玉とかもあるかと思っています。いや、当たらないと思いますけどね。ぼくは今年はあまりいいことがないので。引退が決まった77歳の大棋士に負けましたし。運気がどうも……。そのことは明日の大盤解説で詳しく触れますので」
山口「大盤解説に来れば詳しく聞けるということですね。みなさま是非明日いらしてください。続いて高野四段お願いします」
高野「私は普通に相居飛車を予想させていただきます。初手▲7六歩からの矢倉を予想したいと思います」
山口「ありがとうございます」
前夜祭 抽選会
前夜祭 決意表明
両対局者は明日の第3局に向けて決意を語った。
(渡辺棋王)
「みなさま改めましてこんばんは。この棋王戦での新潟対局は、私は何度も経験しているんですけど、記憶に新しいところでは、昨年の第3局、この同じ会場で指したのですが、佐藤天彦現名人と戦いまして、20時に決着がつきました。通常は19時台、18時台の終局が多いので、20時を超えるというのは相当な大熱戦です。もう1年前になるんですが、シリーズでも大きな1勝だったので、すごく印象に残っている対局です。明日も、その将棋に勝るとも劣らないような内容の将棋を目指して頑張りたいと思っています。
今期の棋王戦は千田六段を挑戦者に迎えて、ということなんですけれども。年齢が10違いますし、そうしますとやはり将棋の考え方なんかも若干違うものですから。千田さんとは今回の棋王戦で初めての対戦だったので、第1局、第2局と指しながら、互いの将棋の感触を確かめているような段階かと思います。ここまで1勝1敗ということですが、第1局、第2局は逆転の将棋だったので、第3局はどうなるかというところです。持ち時間が4時間という条件なのでスピーディーな将棋になるかと思いますが、最後まで頑張りたいと思っています。
私自身は今回は永世棋王が懸かるということで、永世棋王が5連覇でしか獲れないんですね。通算5期でしたら、今回ダメでもまたいつか、という気持ちがあるのですが。連続5期ですので……ちょっと誰が作った規定なのかは知らないのですが、1回しかチャンスがないということなんですね。実質的に。今期で42期ですけど、羽生三冠しかいないんですよね。永世棋王というのは。永世称号の中でも難易度が最も高いのが永世棋王だと思っていますし、それだけ価値も高いと思っています。
明日からの第3局で、勝ったほうが王手が懸かるという大一番ですけども、頑張りたいと思っていますので、みなさま方には、対局の行く末に注目していただければと思います」
(千田六段)
「みなさまこんばんは。私は今回の棋王戦が初めてのタイトル戦なのですけれども、対局に際してファンの方と交流を行うことは大切なことだと感じております。私はファンの方からメッセージをいただくことが多いのですが、このように直接ファンの方と交流して声を聴く機会というのは、そう多くはありません。第3局は盛大な前夜祭が開催されるとうかがっておりましたので、新潟に来ることを非常に楽しみにしておりました。温かく迎え入れてくださって大変うれしく思います。
先ほど検分を行ったのですが、こちらでは数多くの対局が行われておりますので、安心して対局に臨むことができます。対戦相手の渡辺棋王は10歳年上ということで、世代間の対決といわれることもありますけれども、私は盤上の一手、一局に集中して頑張っていきたいと思っております。ありがとうございました」
前夜祭 開会
(主催者あいさつは佐藤明・新潟日報社取締役)
「明日行われる熱戦が、さらに新潟の将棋ファンの拡大につながるものと信じております。私どもが最近開設いたしました新媒体『Otona+(おとなプラス)』というものがございますが、近いうちに棋王戦の大特集を展開する予定でございます。何卒よろしくお願いいたします」
【新潟日報モア・Otona+】
http://www.niigata-nippo.co.jp/web-nic/otona-plus/
(乾杯のご発声は奥州光治・日本将棋連盟新潟県支部連合会会長)
(書き起こし・八雲、写真・吟)