2016年2月11日 (木)

Img_7784振り駒は「と金」が3枚で挑戦者の佐藤八段が先手番に。

Img_7795定刻の9時に対局が開始された。

Img_7797佐藤八段は初手に1分使って▲2六歩。

Img_7804渡辺棋王はノータイムで△8四歩と応じた。

24図は9時30分の局面。淡々とした進行で、戦型は角換わり腰掛け銀に向かいました。

(八雲)

2016年2月10日 (水)

【決意表明】

Img_7658挑戦者・佐藤天彦八段。

「このような盛大な前夜祭を催していただき、ありがとうございます。共同通信社さま、愛媛新聞社さまに厚く御礼申し上げたいと思います。
今日は松山が初めてで、愛媛も初めて、四国も初めてなんです。私が愛媛で連想したのが、道後温泉とみかんです。空港から来るときに、松山城が見えたんですね。丘の上にあったので、見上げるような形になったのですが、渡辺さんを連想しまして。渡辺さんは、お互い10代のころから親しくさせていただいて。渡辺さんは私が奨励会員のころはプロ棋士。私がプロ棋士になったころには、すでにタイトルを獲得していました。私も松山城を見上げるように、渡辺さんを見上げてきました。それを一歩、一歩近づけてというか、こういったタイトル戦で戦えるようになったので、そういう意味で、明日は今までの積み重ねを大事にしながら、いい将棋を指せればと思います。今日はみなさん、どうもありがとうございました」

Img_7671渡辺明棋王。

「本日はこのような盛大な前夜祭を催していただきまして、大勢のみなさまにお越しいただき、ありがとうございます。地元の愛媛新聞社さま、関係各位のみなさまには、厚く御礼申し上げます。
こちらには、以前、1度だけ来たことがあります。10年ほど前ですが、別のタイトル戦で来まして、そのときはまだタイトル戦にも慣れていなかったので、あまり町並みを楽しむ余裕はありませんでした。なので、あまり覚えていなかったのですが、今日、来てみて、こんなんだったっけという感じです。それから10年経ちまして、大舞台にも立たせてもらって、それなりに周りを見渡す余裕も出てきました。
今回の棋王戦は、私にとっては4連覇を目指す戦いになるのですが、挑戦者に佐藤天彦くんを迎えまして、彼とは付き合いも長いですが、このような大舞台で技を競い合えるということに感謝しながら、五番勝負を戦いたいと思います。親しい間柄の棋士とタイトル戦で戦うというのは、あまり経験がありません。いままで戦ってきた人が、あまり親しくないとか、そういうわけではないのですが(笑)。特別、普段から遊ぶような仲の人とタイトル戦を戦うというのは初めてなのですが。もちろん、今までとは違う気持ちもありますし、勝負はどちらかが負けますので、そういったやりにくさはあるのですが、将棋の世界は八百長がありません。すべてが真剣勝負です。いくら仲がよくても、大きなタイトル戦の舞台で、お互い潰しあうような気持ちで割り切って、今回は戦いたいと思います。それで将棋が熱戦になり、みなさんに楽しんでいただければと思っています。
明日は祝日ということもあり、大盤解説会も満員と聞いております。松山では10年ぶりの棋王戦ということで、みなさんに満足していただけるような内容の将棋を目指して頑張りたいと思います」

Img_7680

【対局展望談義】

Img_7689立会人・久保利明九段。

Img_7703大盤解説会解説者・山崎隆之八段。

Img_7712大盤解説会聞き手・室田伊緒女流二段。

室田 よろしくお願いします。振り駒もまだ行われていませんので、先後も分かりませんが戦型予想からお願いします。

久保 挑戦者の佐藤さんが先手だと角換わりかなと。棋王の渡辺さんが先手なら横歩取りになると思います。

山崎 さきほど、こどもの「得意戦法は何ですか」という質問に佐藤さんは素直に「横歩取りです」と答えていました。なので渡辺棋王が先手なら、横歩取りですね。まず振り駒を見てみないと分からないというところはありますね。

室田 愛媛のほうは、お2人は何回くらい、いらしてますか。

久保 4~5回くらいですね。すごく良くしていただけるかたが、たくさんいらっしゃるので。私にとってはすごくいい場所かなと。
室田 お仕事ですか。

久保 そうですね。仕事でも来ましたし、プライベートでも。坊っちゃんスタジアムで野球をやらせてもらいました。そのときはピッチャーでした。すごくいい思い出です。

山崎 私も何度か来ています。ただ道後温泉の近くに止まらせていただくのは今回が初めてです。松山城は丘の上にあるというのは、初めて知りました。佐藤さんはよく見ていて、松山城を渡辺さんに例えて、一歩一歩近づいているという、自信のコメントで。落ち着いているなと思いました。

室田 明日の見どころを山崎先生からお願いします。

山崎 タイトルの実績といえば渡辺さんで、棋王が勝つといっていれば無難だったのですが、この2年の佐藤さんの強さというか、トップレベルでいうと異常な勝ちっぷりです。タイトル戦というと渡辺さんにノリたい気持ちもありながら、この1~2年の活躍ぶりと対戦成績がほぼ互角ということ考えれば、勝敗が読めません。
また2人が素敵だなと思うのは、初対戦が8年前の棋王戦の本戦だったんですね。8年掛けて、頂点のタイトル戦でめぐり合えるのは、2人の関係が少しうらやましいです。そういった中で、どういう感情で戦うのか、トップになるってどういう感情なんだろうと。それは僕では分からないので久保先生に。

久保 親しい仲で、タイトルを戦うというのは、本当にないんですよ。私も渡辺さんとタイトル戦を戦ったことがありますが、親しい仲かというと、そうでもないんですよ。先輩、後輩でもありますからね。私も普段からよく遊ぶ仲間とタイトル戦をやったことはありませんし。そういった関係の2人が、どう五番勝負を始まって終わるのか、非常に興味があります。佐藤さんはすごく勝っていますし、渡辺さんはタイトル戦に照準を合わせてきているでしょうし。本当に明日からの五番勝負は見どころが多い戦いになりそうです。



【閉会挨拶】

Img_7718今井俊朗・愛媛新聞社取締役。

対局は11日(木・祝)、9時開始です。
明日もお楽しみに。

(書き起こし=吟)
(八雲)

18時半から行われた前夜祭の模様です。

【両棋士入場】

Img_7503佐藤天彦八段。

Img_7509渡辺明棋王。

Img_7514対局関係棋士が揃って壇上で挨拶した。

【主催者挨拶】

Img_7520土居英雄・愛媛新聞社代表取締役社長。

Img_7531谷川浩司・日本将棋連盟会長。

【来賓挨拶】

Img_7543中村時広・愛媛県知事(代読 山下一行・愛媛県企画振興部地域振興局長)


(八雲)

16時から対局室の検分が行われました。
検分は、使用する盤や駒、対局室の照明や空調の具合などを確認することです。

Img_7443

Img_7463

Img_7455

Img_7451

対局室はしっかりと整えられており、全て問題なく検分は5分ほどで終了しました。
用意されていた駒は3種類。いずれ劣らぬ盛上駒の名品揃いで、両対局ともに「どれでも問題ありません」、とのこと。

Img_7477こちらは選ばれなかった駒のひとつ。地元で、新しくプロの駒師になる方の作品とのことだ。

このあと18時半から前夜祭が行われます。

(八雲)

対局場に向かう前に、第1局の主催者、愛媛新聞社を表敬訪問しました。

Img_7405関係者が揃って顔合わせが行われた。

Img_7410両対局者に松山の名産品「砥部焼」(とべやき)が贈呈された。品名は「白磁 飛び鉋 染付唐草文鉢」。作者は工藤省治さん。

Img_7416

Img_7428

Img_7432土居英雄・愛媛新聞社代表取締役社長

(八雲)

東京組の関係者一行は正午の飛行機で松山に向かいました。

Img_7385渡辺棋王。

Img_7387佐藤八段。

Img_7391およそ1時間半のフライトで松山空港に到着。

Img_7393空港にはたくさんの柑橘類が売られている。

(八雲)