19時10分ごろの特別対局室
「いや、わからない」
図は△3七歩と垂らした局面。数手前に△7七歩▲同桂を利かせたのがポイントで、先手玉の逃げ道(▲7七玉)を消しながら追い詰める狙いです。
実戦は▲3七同銀!△1九と!▲4六銀と進みました。
銀を見捨てる▲3七同銀もすごい手ですが、取れる銀を取らない△1九とも凄まじい手です。△1九とに代えて△3七同竜は、▲7六桂から攻められるのを嫌がったのではないかと見られています。のちに▲4四香と走る手が歩切れを突いて厳しくなるからです。
予想を超える応酬に、「いや、わからない」と控室。結論は出ていません。
(紋蛇)
終盤戦へ
▲6五銀は、じっと▲7四歩や▲5六桂を狙ったもの。次に厚みを作る意味で、後手に手を渡したともいえます。三浦九段は△3九飛成▲5九歩△7三桂と進めました。
これに▲7四歩と飛車取りに突き出せば、△6五桂▲8四馬△7七歩▲同桂△同桂成▲同金△5六桂が一例。激しい寄せ合いが予想されたところでした。
本譜は▲7四銀。永瀬六段はじっと銀を逃げました。これも次に▲5六桂を楽しみにする手で、渋い手です。
(紋蛇)
18時20分ごろの控室
熱戦
図は飛車と角を取り合った局面。以下、▲4四歩△3八飛▲4八香△4四歩▲6六馬△7四飛▲7五歩△8四飛と進んでいます。
△3八飛の王手に▲4八香はつらい合駒に見えますが、のちに4筋を攻める含みがあります。三浦九段もすぐに決める順はないと見て△4四歩と自陣に手を戻しました。「時間もいい勝負ですね。熱戦です」と広瀬七段。まだまだ難しい戦いが続きそうです。
(紋蛇)
三浦九段も残り1時間を切る
角がさばけた
三浦九段が攻め続けています。
まずは銀を捨てて9二角の威力を増し、
そして、△5六角。あの角が世に出ました。控室では「本当に先手は予定なのだろうか」「後手の攻めを完全につぶすのは難しくなったので、先手はどこかで攻め合いに出るしかない。しかし、そうなると後手玉の堅さがいきそうだ」との声が上がりました。控室の雰囲気は「後手ペース」です。
(紋蛇)