感想戦終了後、場所を移して藤井聡太棋王への記者会見が行われました。
(記者会見前に、関係者から花束が4連覇を果たした藤井聡太棋王に贈られた)
――今回で4連覇になる。改めていまの気持ちは?
藤井 途中まで1勝2敗でカド番にもなり、かなり苦しいシリーズでもあった。それだけに防衛できたことはうれしく思う。
――増田八段の印象は?
藤井 序盤からさまざまな工夫をされ、その点は私としても勉強になった。中終盤も的確に見切られてしまうということも多く、全体として増田八段の力を感じるシリーズだった。
――王将戦に続いてのカド番をしのいでの防衛について
藤井 王将戦と棋王戦、どちらも苦しいスコアで、防衛するのは難しいかなと感じるところがあった。ただ、最終局がどちらも先手番になったのは、幸運だったかなと。追い込まれたことで開き直れて指すことができたということもあったと思う。
――対局での地元のおやつについて
藤井 こちらの名物のものをいろいろとご用意いただいて、午前、午後ともにほんのりとしたやさしい甘さがあった。非常においしくいただき、対局にもピッタリだったと思う。
――お菓子の甘さが対局中の力になったか?
藤井 対局中に考えていると糖分が欲しくなるということもある。また、盤を離れて吸収するということもあり、今日一日、集中して対局に臨めた。
――昨年、特急やくもを視察された折に、「守備力の高い馬」と将棋の駒に例えられた。今回のスーパーはくとは何になるか
藤井 はくとは振り子式の気動車としては初期の車両でもあるが、高速化の工夫もされていて、力強い走行感を楽しむことができた。力強いという点では飛車になるかと。
――鳥取での対局、心に残るものになったか?
藤井 鳥取に来るのは初めてで、楽しみにしていた。有隣荘もたいへん趣のある素晴らしい所で、関係者の方に素晴らしいご準備をいただけた。防衛できたことも含め、印象に残る対局になったし、また、対局以外でも来ることがあればと思う。
――今年度のよかった点と反省すべき点は?
藤井 棋王戦と王将戦はどちらも苦しい状況だったので、そこから防衛に繋げられたのはよかった。ただ、連敗が何度かあったので、そういった波を小さくしていかなければと思う。今年度は後手番での工夫を課題に挙げていて、ある程度は経験が積めたのはよかったが、まだまだ十分じゃないと感じるところもあり、引き続き取り組んでいければ。
――10年になるキャリアの中で、ここ2ヵ月の苦しみはどのようなものだったか?
藤井 2月から3月に掛けては結果もそうだが、内容もよくない将棋が続き、自分としても苦しさを感じる時期だった。振り返ると内容のよくない将棋を指したことで、自分への自信が下がったということもあった。そういった中でどう対局に臨むかという難しさがあった。結果として王将戦の第5局に勝つことができ、そこから徐々に好転したのかなと感じるが、その将棋も途中までは苦しく、少なからず幸運があったのかなと思う。
――そういった苦難を乗り越え、これまでに味わったことのない何かがあるか?
藤井 振り返ってみると幸運ということが大きかったと思うが、こういった追い込まれた状況で対局してというのはあまりなかったので、今後の糧にできるのではないかと思う。

――乗り越えられた原動力は?
藤井 やっぱり幸運だったと。棋王戦では第4局の後手番を勝てたのは大きかった。その後の3局は振り駒もあって先手という形になって、2局は途中、苦しい局面があったが、それを勝つことができ、自分の状態としても上向いてきたんじゃないかと。
――去年あたりから「面白い将棋を指したい」と話されているが、今期の棋王戦ではどうだったか?
藤井 今期の棋王戦は増田八段に主導権を握られてしまって、辛抱する展開が多かったが、第4局で中盤戦は少し苦しい局面だったのを引き離されないように指し、終盤も際どいところが多かったが踏み込んで指すことができたので、自分としては印象に残る対局になった。
――最後に、ファンの方にメッセージをお願いします。
藤井 対局をご覧いただきましてありがとうございました。棋王戦も厳しいシリーズで、防衛できたのは幸運が大きかったかと思う。シリーズを通して増田八段の強さを感じるところも多く、内容としても勉強になることが多かった。この経験を生かして、これからもよい将棋をお見せできるように頑張っていきたい。ありがとうございました。

※記者会見の内容は後ほど掲載いたします。
(潤)

