図の前手▲4八金に「先手の手が見えない」と検討陣。渡辺棋王が頭を抱えて△1七金と打つと、控室で悲鳴が上がりました。▲1七同香で逆転ではないか、ということです。着手後に斜め上を見上げる渡辺棋王。
147手目▲4二角成が指されたとき、控室では次に▲2四馬△同玉▲2五飛△同玉▲3七桂打以下の頓死筋があるといわれていたのですが、直後の△2六桂でそれは消えました。しかし、図で▲1七同香△同桂成となれば2五から桂が動き、▲2四馬から迫る順が復活します。後手は絶対に負けないという姿勢で手堅く指していたのに……。藤井竜王の粘りから信じられないことが起きました。
(牛蒡)