2022年12月27日 (火)

終局直後

Dsc_0957(終局直後。まずはインタビューに応じる)

Dsc_0963(勝った藤井竜王。棋王戦の挑戦権を初めて獲得した)

Dsc_0971(敗れた佐藤九段。第41期以来の挑戦はならなかった)

【藤井竜王の談話】

――お疲れさまでした。一局を振り返ってどうでしたか。

藤井 序盤から構想が難しくて、8筋に歩を打たずに頑張って指せればと思っていたんですけど、▲3六歩に△2五桂と跳ねられて嫌な形になった気がしました。そのあとは桂を取って駒得になって、少しずつ指しやすくなったかなと思います。

――△2五桂に少し考えて▲5六飛でした。あのあたりは?

藤井 (後手に)動かれる筋に歩を打っていないため、△8七歩を打たれる筋もあるので、▲3六歩に代えて仕掛けを与えない手のほうがよかったかなと思いました。

――今期の棋王戦は、敗者復活戦を勝ち上がっての挑戦権獲得でした。

藤井 棋王戦はあまり上位に進めたことがなかったので、今期は初めてベスト4に進むことができ、敗者復活戦を含めてたくさん対局できたので充実感がありましたし、そのうえで結果を残せたことをうれしく思っています。

――棋王戦は初挑戦です。五番勝負の抱負をお願いいたします。

藤井 開幕までしっかり準備して、状態を整えて、五番勝負でいい将棋が指せるように頑張りたいと思います。

――王将戦とのダブルタイトル戦です。

藤井 始まってみないとわからないことが多いですけど、体調にも気をつけてやれればと思います。

――羽生善治九段以来、2人目の六冠を目指す戦いです。最年少の記録更新もかかっています。

藤井 自分では意識せずに、今まで通りの気持ちで五番勝負に臨めればと思っております。

【佐藤九段の談話】

――△2五桂と開戦し、▲5六飛と回られたあたりはいかがでしたか。

佐藤 先ほど藤井さんがいわれたように、8筋に先手が歩を打たない形と▲3六歩の構想で指されまして、そのときにこちらが本譜と異なった持久戦を目指したときのまとめ方がとても難しく覚えたので、ちょっと無理かなと思いつつ△2五桂と。策なく持久戦にすると何もできなくなりそうなので、△2五桂と仕掛けていったんですけど、▲5六飛と回ってこられる気はしていたんですけど、そのあたりで何かあったかどうかというか。やっているときは△5四歩も仕方ないかなと思ったんですけどね。

――今期の棋王戦を振り返っていかがでしょうか。

佐藤 長いトーナメントですし、ベスト4に入ってからもかなり熱戦が多くて、結果的に藤井さんと3局指すことができました。いろいろと自分の中で課題も見えましたし、もちろん挑戦できなかったのは残念ですけど、非常に収穫の多い充実したトーナメントだったと思います。

Dsc_0993(感想戦で両者は活発的に意見を交わした)

Dsc_1000
(紋蛇)