図は83手目▲3三歩の局面。先手は駒得しながら調子よく攻めていますが、後手に手番が回ると△8六歩と銀冠の弱点を突かれてしまうため、しっかりポイントを挙げていく必要があります。「永瀬さんがいいプレッシャーのかけ方をしています」と木村九段。続けて「▲3三歩△同桂に▲2四角で決まるかどうか」。
▲2四角に△4七竜なら▲1三角成で▲1四馬から▲3三桂成(後手の応手次第では▲3三桂不成)の王手で竜を素抜く筋があります。
永瀬王座は△3五銀と投資して受けました。これなら▲1三角成から▲1四馬とされても竜を素抜かれることはありませんし、攻撃力はダウンしても△8六歩は依然として厳しい狙いです。渡辺棋王の考慮中に17時を過ぎました。▲1三角成△8六歩の進行では、攻守が入れ替わりそうなので、先手は工夫がいります。
(銀杏)
2022年3月20日 (日)