2022年3月
対局展望座談会
開会式後に対局者が退室し、木村一基九段、広瀬章人八段、中村太地七段、北尾まどか女流二段による対局展望座談会が開かれました。たっぷりゆったりと1時間近く行われました。
(対局展望座談会)
中村 戦型予想をしないといけませんね。今シリーズは第1局が矢倉、第2局が相掛かり、第3局が角換わりと。明日は渡辺棋王が先手番。相居飛車で出ていないのは横歩取りですが、永瀬王座は、最近、後手番では指していません。ということで、第1局か第3局と同じ戦型がもう1度くると見て、私は角換わりで、主導権を取りにいく早繰り銀ではないかと思っています。
広瀬 渡辺棋王は第1局を後手番で勝って、あとは先手番を勝っていけばいいと思っているのではないかと。明日は最後の先手番、私は矢倉なのかなと思います。
木村 そうすると私は相掛かりかな(笑)。2人が角換わりと矢倉といわなくても、相掛かりではないかと思っていました。渡辺さんの作戦を立てる綿密さは、タイトル戦では群を抜いて目立ちます。戦いが始まって、ここまでやっているのかというのは、同業者でも感じさせられます。永瀬さんはどんな形でも対応してくる。こちらもここまでやっているんだと思わせますね。そういう点で、プロから見ても序盤が勉強になる印象があります。どっちが勝つか、これはどっちかが勝つとしかいいようがないかな。
開幕式(2)
渡辺棋王「本日は、とちぎ将棋まつりの開幕式を開催していただきまして、また大勢の方に参加していただきまして、ありがとうございます。棋王戦を開催していただいております、共同通信社さま、今回の日光対局に、ご尽力いただきました下野新聞社さま、こちらのホテル三日月グループさま、対局場をご提供いただきます日光東照宮さまには、厚くお礼を申し上げます。
栃木県での棋王戦、今回の対局場では初になります。日光東照宮という400年以上の歴史があり、誰もが知っている場所での対局ということで、身が引き締まります。先ほど会場を下見したのですが、非常に素晴らしい雰囲気で、集中して臨めそうだなと思っております。
また、あわせて開催されます、とちぎ将棋まつりでは如水さまをはじめとした、実行委員会のみなさま、ありがとうございました。今回の開催場所では初めてということです。また、数年ぶりの将棋まつりの開催だったと思います。新型コロナウイルスの影響は棋王戦にも大きく波及しておりまして、久しぶりにとちぎ将棋まつりと棋王戦をあわせて行われると実感しております。
今回の3連休でまん延防止も解除になるということで、みなさまもそうだと思うのですが、私も前向きに頑張っていこうという機運も高まってくるところだと思います。シリーズも煮詰まってきましたが、明日の第4局は、そういった前向きな気持ちで頑張っていきたいと思っています」
永瀬王座「本日はたくさんの方にお越しいただき、ありがとうございます。栃木にくるのは久しぶりです。栃木の名産といえばいちごですが、「とちおとめ」「スカイベリー」「とちあいか」など、おいしいいちごがたくさんある印象です。明日の対局時にはいちごをいただける予定ですので、とても楽しみにしております。
ホテルの部屋に露天風呂もありまして、そちらに入って疲れを取って、明日はいい将棋が指せればと思います。棋王戦は明日が第4局で、1勝2敗という星ですが、みなさまに1局でも多く将棋をお見せできるように頑張りますので、明日もご観戦いただければと思います。最後に関係各位のみなさまに、厚くお礼を申し上げます」
開幕式(1)
18時から「日光きぬ川スパホテル三日月」で開幕式が行われました。
(岸本卓也・下野新聞社代表取締役社長のあいさつ)
岸本社長「本日は棋王戦第4局の開幕式に、ご来場いただきまして、誠にありがとうございます。栃木県での棋王戦第4局の開催は大変、光栄でございます。心より歓迎いたします。
棋王戦は1974年に創設された伝統あるタイトル戦のひとつであります。栃木県では第36期を開催されて以来のご縁であります。昨年は諸般の都合で、本県での開催はありませんでした。今年は初めて、日光東照宮さまのご厚意により、客殿をお借りして開催の運びとなりました。
ここ日光は、古来より聖地として信仰が厚く、世界遺産に登録されております寺社や史跡が多くあります。東照宮は日光の象徴、伝統ある棋王戦の対局場にはふさわしいと思います。きぬ川スパホテル三日月さまでは、本日の開幕式、とちぎ将棋まつりの会場をご提供いただきました。コロナウイルスの感染対策に、格段のご配慮いただき、久しぶりに棋士とファンの交流の場をご提供することができましたのは、主催としてうれしく思っております」
(鈴木大介・日本将棋連盟常務理事のあいさつ)
鈴木常務理事
「棋王戦第4局日光東照宮対局、とちぎ将棋まつりの開幕式にご参加いただき、感謝申し上げます。誠にありがとうございます。今回は下野新聞社さま、共同通信社さま、栃木の実行委員の方々には、大変お世話になりました。ホテル三日月グループさまや城東クリニックさまにもお世話になりました。
棋王戦第4局、渡辺棋王2勝、あと1勝で10連覇という偉業に向かっています。対する永瀬王座は、第3局を勝ちまして、ここ第4局を勝てば、フルセットの大勝負に持ち込めると、全国各地のファンのみなさまにも注目を浴びている一局だと思います。今シリーズはすべて相居飛車ですが、第1局が矢倉、第2局が相掛かり、第3局が角換わりとバラエティーに富んでいます。
驚くのは午前中からスリリングな戦いで、1手も緩められない、私は棋士生活が30年近くになるのですが、自分が戦っていたころは、序盤はのんびりと、タイトル戦というのは終盤に盛り上がってというのが通例でした。いまは朝から一瞬も目が離せない時代になってきました。明日は指導対局あり大盤解説ありで、1日、将棋を楽しんで堪能していっていただければと思います」
(如水和也・棋王戦栃木対局実行委員会実行委員長のあいさつ)
如水実行委員長
「さきほど、検分で日光東照宮にいって参りましたが、対局室はとても美しかったです。棋王戦栃木対局、とちぎ将棋まつりは、10年以上前から宇都宮市の宇都宮グランドホテルで開催させていただいていましたが、コロナ禍で昨年7月に突然、閉館となりました。
われわれ実行委員会は路頭に迷いました。何度か打ち合わせを重ねまして、下野新聞社の方が、思いきって日光東照宮にお願いしてみようということになりました。明日は手に汗握る大熱戦が期待できると思います」
(日光きぬ川スパホテル三日月の菊池保匡支配人による歓迎のあいさつ)
菊池支配人「弊社にて開催いただくことありがとうございます。今日、こちらにいらっしゃるお客様を拝見しまして、やってよかったなと心から思います。200名さまの応募がありましたが、感染対策の面からも100名さまとさせていただきました。明日の見どころは序盤、中盤、終盤、駒たちが躍動する2人の熱い戦いにございます。このフレーズは社長にいうようにおおせつかりました」
(書き起こし=吟、写真=銀杏)
検分(2)
検分(1)
日光東照宮へ
とちぎ将棋まつりinホテル三日月
本局の開催を記念して、3月19・20日に栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」で「とちぎ将棋まつりinホテル三日月」が開かれます(応募申し込みは締め切られています)。
19日は開幕式と対局展望座談会、20日は指導対局と大盤解説会が開かれます。
開幕式は両対局者が出席。対局展望座談会には木村一基九段、広瀬章人八段、中村太地七段、北尾まどか女流二段が出演します。
20日のイベントには鈴木大介九段、広瀬章人八段、中村太地七段、梶浦宏孝七段、竹部さゆり女流四段、北尾まどか女流二段が出演します。
主催 下野新聞社、棋王戦栃木対局実行委員会、共同通信社、日本将棋連盟
協賛 ホテル三日月グループ、城東クリニック
(銀杏)
【日光きぬ川スパホテル三日月】
http://www.mikazuki.co.jp/kinugawa/
【とちぎ将棋まつりinホテル三日月】
http://www.mikazuki.co.jp/kinugawa/news/shogi.html
第47期棋王戦第4局は3月20日に栃木県日光市で対局
渡辺明棋王に永瀬拓矢王座が挑戦する第47期棋王戦五番勝負第4局は3月20日に栃木県日光市「日光東照宮」で指されます。
五番勝負はここまで渡辺2勝、永瀬1勝。第3局は永瀬王座が制して待望の初白星を挙げました。第4局は渡辺棋王が防衛して棋王10連覇を果たすか、永瀬王座がフルセットに持ち込むか注目の一戦です。本局は下野新聞社が主催します。
対局開始は9時。持ち時間は各4時間。昼食休憩は12時から13時。おやつは10時と15時に出されます。立会人は木村一基九段、記録係は中沢良輔三段(飯野健二八段門下)です。新聞観戦記は後藤元気さんが担当します。
本局のネット中継は、棋譜中継を吟、ブログを銀杏が担当します。よろしくお願いいたします。
【主催】
下野新聞社 https://www.shimotsuke.co.jp/
共同通信社 https://www.kyodo.co.jp
【協賛】
日光きぬ川スパホテル三日月 http://www.mikazuki.co.jp/kinugawa/
【特別協力】
コナミホールディンクス https://www.konami.com/ja/
【協力】
大塚製薬-カロリーメイト https://www.otsuka.co.jp/cmt/
【対局場】
日光東照宮 https://www.toshogu.jp/