2022年2月

2022年2月 6日 (日)

Dsc_0640(激戦を制した渡辺棋王)

――序盤のわかれについて。
渡辺 序盤で軽率な手を指してしまい、予定(していた形)ではなくなってしまいました。

――66手目△4五歩のあたりはどうでしたか。
渡辺 △4五歩から△2二玉(68手目)のあたりは感じがいいと思っていたんですけど、そのあとにおかしなことをして自信はなかったです。

――70手目△2七銀のあたりはどうですか。
渡辺 銀自体はいい感触かと思ったんですけど、そのあと何手かやっていくうちに、やっぱりいまいちだったかと思い直して。

――76手目△8七角について。
渡辺 (△8七角では)ほかの手がよかった気がします。無視されてしまったので。そこからは自信がないなと思いながらやっていました。

――終盤はどうでしたか。
渡辺 入玉を阻止しないといけないのですが、時間がなかったので何か嫌なことが起きるかもしれないなと思っていました。

――勝ちが見えた局面はどこですか。
渡辺 △4一角(136手目)で残っているかなと思いました。ただ、入玉には気をつけないといけないと思っていました。

――第2局に向けて。
渡辺 開幕戦から大変な将棋だったので、(第2局も)そういう戦いにはなると思うんですけど、精いっぱい頑張っていきたいと思います。

Dsc_0679(永瀬王座は先手番を落とした)

――序盤の作戦について。
永瀬 雁木に対してこちらがどうするかという将棋でした。

――45手目▲7六銀について。
永瀬 不満はないつもりでした。ただ、組み立ては変だったかもしれません。そこはよく分からないです。

――63手目▲8四歩では▲2四歩もありましたか。
永瀬 そこだと△6八歩▲同飛を気にしていた気がします。確かに本譜は△4五歩が入って▲2四歩を突けるタイミングが分かりませんでした。

――77手目▲5三との局面はどうでしたか。
永瀬 こちらの金銀が働いていれば、それほど薄くはないのかなと思いました。

――終盤はどうでしたか。
永瀬 判断が常に難しい気がしました。△7六歩▲同玉が変だったかもしれませんが、難しくてよく分かりませんでした。

――第2局に向けて。
永瀬 内容をよくして頑張りたいと思います。

Dsc_0695(主催紙のインタビューを受ける)

Dsc_0709 
(牛蒡)

20220206a_3

五番勝負第1局は渡辺棋王が勝ちました。終局時刻は19時16分、消費時間は両者3時間59分。形勢が揺れ動く激戦を渡辺棋王が制しました。第2局は2月19日(土)、石川県金沢市「北國新聞会館」で行われます。

(文)

K1_135先手玉は後手陣に入っていますが、大駒が1枚しかないため、仮に相入玉になっても点数で勝てません。形勢は後手勝勢です。渡辺棋王は公式戦5連敗中でした。本局を制すれば12月24日以来の公式戦勝利となります。

(牛蒡)

K1_115▲7四歩で図。評判は後手優勢です。実戦は(1)△5六桂と踏み込みました。6四に駒を打つ空間を作っています。先手は馬と竜を失うことなく入玉するのが理想ですが、上から押さえ込まれそうな状況です。

ほかには(2)△8六成桂も有力そうでした。△8六成桂▲7三歩成△8五成桂で竜の処置が難しく、以下▲7七竜は△7六歩、▲7四竜は△5五歩(▲同歩は△5四銀打から詰み)、▲6四竜は△同銀▲同玉△4三飛が厳しそうでした。

(牛蒡)

Dsc_0606 

K1_103王手角取りが掛かりました。渡辺棋王は長考しています。△4二歩と△4二金の比較でしょうか。▲7五飛成から▲4五竜という変化があるため、4二の受け方は重要です。森内九段は図から生じる変化のひとつを解説しましたが、その結論は「先手が勝っていそうだけど接戦」でした。逃げきりたい先手、追いかける後手のフルマラソン。まだ相手の背中が見える距離にあるようです。

(牛蒡)

K1_087現地の大盤解説会では、青野九段と森内九段が「逆転した気がする」と声をそろえます。先手がよくなった、ということです。この少し前、後手は8八金型に対して△8七歩▲同金△3九飛としたのですが、歩を渡したことで▲8五歩と飛車を止められてしまいました。このあたりも手の流れはあまりよくなく、苦心の順だったのかもしれません。その後に△8六歩▲7七金寄を利かしたものの、図の局面は後手から厳しい攻めが見当たりません。少し前とは立場の入れ替わった両者。再逆転はあるでしょうか。

Dsc_0602(現地解説会)

(牛蒡)

K1_077△8七角に▲5三とで図。渡辺棋王は頭をかいたり、首をひねったりと、これまではあまり見られなかった動きが増えました。6四銀を素通りし、4三銀を取りにいく▲5三とは、好手のようです。渡辺棋王は軽視していた可能性があります。△7八角成で飛車は取れますが、「▲7八同玉がいい形なので、後手はあまりうれしくないですね」と青野九段。

Dsc_0461(朝の渡辺棋王)

(牛蒡)

K1_070評判は依然として後手よし。早い終局もあるかと青野九段は話しています。形勢が大差というのではなく、「考えるところがあまりない」ことが理由のようです。逆転を狙う先手としては、複雑で間違えやすい局面こそ望ましく、指し手が分かりやすい局面が続くようだとつらい状況といえます。

Dsc_0592(モニターを見ながら解説する青野九段)

(牛蒡)