【渡辺明棋王の談話】
――対局を振り返っていかがでしたか。
「前例が少ない形なので、昼休の辺りはどういう方針で指すか悩ましかったですけど……ちょっと待つ手がわからないので攻めてみた感じです。終盤もよくわからなかったですが、最後はちょっと……安全勝ちを目指すべきでした。詰みかなと思っていってしまった部分があって、ちょっと読みきれてはいなかったので」
――優勢を意識されたのはどのあたりでしたか。
「▲5四角成(117手目)と金を取ったところは勝ちになったかなと思ったのですが、その後ちょっと方針が定まらなくて。寄せと受けきりの見合いでやっていたらおかしくなったので、方針をどちらかに決めなければいけなかったです」
――これで防衛されて7連覇を達成されましたが、その記録に対してはどういう思いですか。
「もう、そんなところまで来たのかな、という感じがしています」
【広瀬章人竜王の談話】
――対局を振り返っていかがでしたか。
「類型のあまりない将棋だったと思うので、どういう感じになるのかなと思っていたのですが。いきなり仕掛けられて、何かちょっと指しにくさを感じながら指していました」
――終盤は難しくなったところもあったか、という声もありましたが。
「ちょうど時間がなくなったあたりで勝負どころを迎えたのかなと。そこでちょっとミスをしてしまったのが敗因かなと思います」
――棋王戦五番勝負に初挑戦されましたが、シリーズを振り返っていかがでしたか。
「1日制のタイトル戦というのが初めてだったのですが、そのスピード感などに慣れてきたところで終わってしまったかなと。今回の経験を今後に生かしたいと思っています」
(八雲)