対局者が退場したあと、立会人の木村一基九段、大盤解説者の近藤正和六段、聞き手の鈴木環那女流二段が第3局を展望しました。
近藤「木村さんは明日、立会人ですよね。遅れないで来てくださいよ」
木村「そりゃね、大事な話ですよね。中継が入りますし、将棋連盟からえらい人が来ているらしいから」
鈴木「解説会、木村先生も来てくれますか?」
木村「ええー。近藤さんが疲れたころを見計らってですかね」
近藤「いちばんよく話すのが、木村さん」
木村「いやいや、近藤さんですよ」
近藤「私は、話しを聞くタイプです」
木村「いやいや、近藤さんは話を聞かないタイプで、最強なんです。私は人の話を聞くタイプですから」
木村「戦型は第1局の相掛かりか、第2局の角換わりかのどちらかじゃないですか」
近藤「横歩取りはないですか?」
木村「ないですね」
近藤「私はどちらかが振り飛車をやってくれたらありがたいんだけど。私は中飛車ばっかりなので、相居飛車の解説だと頓珍漢なことをいってしまうことがあるんですけど、顔には出ないですよ」
木村「ゴキゲン中飛車の元祖ですからね。でも、修業時代の裏芸は角換わりですよ」
近藤「そうなんですよ。近藤二段対木村二段戦で、木村さんを角換わりで破って昇段したんです」
木村「いまになって、それが蒸し返されるとは思わなかった(苦笑)」
木村「このまましゃべろうと思えば、朝まで……。お互い、話を聞いていませんから(笑)」
このあとも話題は四方八方に及びました。
(書き起こし=紋蛇、写真=琵琶)