2018年12月
感想戦
終局直後
◇広瀬八段の談話
――本日の対局を振り返られて、いかがですか。
広瀬 力戦の将棋になったんですけど、こちらは歩を何枚か得して。ただ、こちらは手が後れないように気をつけながら指していました。
――勝ちを意識されたのはどの辺りですか。
広瀬 ▲3三金(79手目)を打ち込んでいって、勝てそうかなと。
――今期棋王戦の挑戦者決定トーナメントを振り返られて、いかがですか。
広瀬 初戦から実績のある棋士たちと当たってきましたので、この結果は自分でも予想していなかったところはあります。
――棋王戦は初挑戦です。
広瀬 一日制の五番勝負は未知の領域なので、新鮮な気持ちです。
――渡辺明棋王に対してどのような戦い方をされるのでしょうか。
広瀬 普段と変わらないようにとは思っていますが、持ち時間が4時間なので、作戦の段階である程度準備していかないとまずいかなと思っています。
◇佐藤名人の談話
――本日の対局を振り返られて、いかがですか。
佐藤 力戦模様に誘導していったんですけれども、序盤でこちらに見損じがありまして、それが大きかったのかなという感じがします。▲5五銀(31手目)という手なんですが、それを指されてこちらの駒が前に出なくなってしまったので。そこから傷口がどんどん広がってしまって、それを止めることができずに最後までいってしまったかなという感じですね。
――序盤の△5四歩(12手目)は用意されてきた研究でしょうか。
佐藤 そういう感じでやろうとは思ってきたんですけれども、深い研究があるというよりは、新しい形をやってみようという気持ちでした。
(睡蓮)
広瀬八段が挑戦権獲得

▲広瀬-△佐藤天戦は16時13分、89手で広瀬八段が勝ち、渡辺明棋王への挑戦権を獲得しまし。消費時間は、▲広瀬2時間6分、△佐藤2時間41分(持ち時間は各4時間)。五番勝負の第1局は2月2日(土)、石川県金沢市「北國新聞会館」で行われます。
(牛蒡)











15時48分、先手玉への攻めを見せた後手の△9四桂に、広瀬八段が▲4三歩成と踏み込んで勝ちにいきました。両者の指し手は早く、このまま一気に終局までいってもおかしくなさそうです。

図が15時20分現在の局面。△3一角は眠っていた2二角を使いにいった手ですが、以下▲5四成銀△同飛に▲5六銀が受けにくいようです。

14時15分、後手の佐藤名人が△7五歩(図)と駒をぶつけていきました。以下▲7五同歩△6五桂▲6六角に、がつんと△5四銀直。強い態度で決戦を挑んでいます。ただ、控室で継ぎ盤の前に座る千葉幸生七段は、後手がやや無理をしているのではないかという見解。形勢は先手持ちとのことです。
図は13時35分頃の局面。先手が▲8七金と上がり、△6五桂~△8六飛と後手に歩切れを解消される順を防ぎつつ7八に玉を収めるスペースを作ったところです。本格的な開戦を前にして互いに着々と陣形の充実を図っていますが、2歩損プラス歩切れの後手が苦労しそうな展開ということはいえそうです。




