2018年3月

2018年3月11日 (日)

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渡辺明棋王に永瀬拓矢七段が挑戦する第43期棋王戦五番勝負第3局は、17時53分に103手で渡辺棋王の勝ちとなりました。消費時間は▲渡辺2時間58分、△永瀬3時間59分。
五番勝負は渡辺棋王の2勝1敗。防衛にあと1勝としました。
第4局は3月20日に東京都千代田区「都市センターホテル」で指されます。

(銀杏)

93渡辺棋王が着実にリードを広げ、勝勢に近づいています。永瀬七段は図の局面で時間を使い、一分将棋に入りました。


A2890_2 (控室の森下卓九段。検討は続いている)

(牛蒡)

75図の局面で永瀬七段が考慮中。△8三同飛には▲4一角や▲7一角があり、後手は苦しい状況と見られています。


A2881 (16時28分、モニター映像)

(牛蒡)

7165手目▲8六歩に永瀬七段は△8八歩の「勝負手」(佐藤紳七段)を放ちました。以下は銀と桂を取り合い、図の局面まで進んでいます。駒割りは▲銀銀△桂桂の交換。先手が駒得の戦果を挙げました。図で△8五歩は▲8三歩成△同飛▲4一角があります。後手は反撃したいところですが、その手段が難しいかもしれません。


A2429
(牛蒡)

5915時13分、渡辺棋王が中央から動きました。図の局面で渡辺棋王は残り2時間18分、永瀬七段は残り59分。実戦は△5四同歩▲5三歩△同銀▲同桂成△同玉まで進んでいます。

「△5三同玉に▲8六歩で先手は決めにいきたいはず。以下△8六同銀▲同銀△同飛に▲4一角や▲4一銀などいくつか手がありそうです。しかし、相手の攻めも呼び込むのでいけるかどうか」(屋敷九段)


Dsc_2373 (朝の永瀬七段。いまは羽織を脱いでいる)

(牛蒡)

藤田綾女流二段、谷口由紀女流二段(旧姓:室谷)、高浜愛子女流2級と最近は女流棋士の結婚が続いています。佐藤紳七段と中村桃女流初段は、ニコ生出演中の藤田女流にメッセージを送りました。

A2518

A2523
(牛蒡)

57早々に▲4五桂と跳ねた本局ですが、ここ数手は間合いをはかるような手が続いています。「永瀬七段は相手に無理攻めをしてもらいたいと思っている。渡辺棋王もそれがわかっているので、ものすごく慎重に指しています」と検討陣。

渡辺棋王は前夜祭で「長くなると永瀬さんのペースになってしまう」と話していた渡辺棋王。そろそろ動きたいところでしょうか。


A2821 (渡辺棋王)

(牛蒡)

新潟グランドホテルから車で10分ほどいったところに「安吾 風の館」があります。

「新潟市は戦前・戦後に活躍した小説家の坂口安吾の出身地。坂口は囲碁好きで碁会所を開いたこともあるが、将棋の随筆も書いている。特に木村義雄名人が塚田正夫八段に敗れた1947年の第6期名人戦を書いた『散る日本』はよく知られている。2009年から旧市長公舎を『安吾 風の館』として活用、研究やさまざまな展示をしている。2017年12月9日から18年3月25日まで『安吾 風の館』で企画展『安吾の将棋観戦記』が開催されている」(棋譜コメントから抜粋)

「安吾の将棋観戦記」では「散る日本」の取材メモや原稿をはじめとして、安吾の将棋関連の蔵書など興味深い資料が展示されていました。

【坂口安吾デジタルミュージアム】
http://www.ango-museum.jp

A2843_3 (風の館)

A2837 (展示室)

A2849 (企画展のポスター。木村義雄十四世名人の名人復位の写真が使われている)

 上記写真左から、升田幸三実力制第四代名人、大山康晴十五世名人、木村義雄十四世名人(当時挑戦者)、坂口安吾、塚田正夫名誉十段(当時名人)。

(牛蒡)

渡辺棋王は東京都出身ですが、ご両親は新潟県上越市出身。昨年は指導対局で新潟市を訪れています。

A2452 (昨年の指導対局を伝える記事。新潟日報社の「週刊ふむふむ」に掲載された)

A2456 (新潟競馬を楽しむ渡辺棋王。こちらは同社の「Otona+」の記事)

(牛蒡)