■渡辺棋王の談話
――今日は非常に内容がよかったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
渡辺 先手番らしい将棋にはなったと思いましたが、攻めがつながるかどうかはよく分からなかったです。
――ポイントになった局面はどこでしょうか。
渡辺 戦いが始まってからは変化が少ない将棋だったので……。うーん、▲3五歩(73手目)を突いたときに△同歩だったら、攻めがつながっているかどうかちょっとよく分からなかったんですけどね。
――勝ちを意識されたのは。
▲4六飛(83手目)がぴったりの手になったので、そこは「いいかな」とは思いました。
――これで2勝2敗のタイになりました。第5局の意気込みをお願いします。
渡辺 来週(3月27日)またすぐあるので。最後なので、悔いがないようにしたいと思います。
――永世棋王(棋王位5連覇)がかかる大きな一戦ですが。
渡辺 1局しかチャンスがないので、やはり悔いが残らないようにというか、それに尽きると思います。
■千田六段の談話
――本局はどこかで誤算があったのでしょうか。
千田 そうですね。▲2六角(67手目)~▲3七桂辺りで、ちょっと悲観していましたね。あそこでもうちょっと頑張る手順を見つけなければいけなかったですね。
――控室では△4五歩(44手目)からの仕掛けがどうだったのかという話も出ていました。
千田 ああ―、まあ、小競り合いという印象ですけれども。△4五歩というのは。
――全般的に千田六段の力が発揮できなかったのかなというように感じたのですが。
千田 うーん、「力が発揮できない」というと変な話になりますので。実力なので、ええ。
――5二金を6二に寄った辺りはどうだったのでしょうか。
千田 代わる手が複数あって……。本譜はバランスを重視した指し方だったのですが、ちょっと一貫性がなかったですね。
――これで五番勝負は2勝2敗になって、最後にあと1局ということになりました。
千田 対局までの時間があまりないので、それに向けて調整するのみです。
(睡蓮)