2015年2月11日 (水)

前夜祭開幕

19時から前夜祭が始まりました。両対局者が入場すると、壇上で花束の贈呈。プレゼンターは城東小学校6年の速水秀馬さん、陽東小学校4年の沼生隼英さんが務めました。

Img_1623

Img_1626

Img_1633

Img_1637

■主催者挨拶
棋王戦宇都宮対局実行委員会 如水和也委員長
「棋王戦の宇都宮開催が恒例になってきました。将棋が盛んになり、小学生でも有段者が増え、初級者向きの教室も増えました。
今回は当代きってのゴールデンカードが実現しました。挑戦者の羽生善治名人は12連覇を含む、通算成績は13期。通算タイトル数は大山康晴十五世名人を抜いて現在90期。前人未踏の記録を持っています。渡辺明棋王は現在棋界の大黒柱。2年前にはここで棋王を獲得しました。
二人の対局はいつも見どころが多い大熱戦が期待されますし、歴史の1ページを作るシリーズになると思います。
明日の午前は将棋まつりを開催し、随時大盤解説を行います。明日も足を運んでくださっていただければと思います。
最後になりますが、今回の対局はスポンサー、共同通信、下野新聞、ホテルの方々、地元のボランティアの方々、本当に多くの方によって成り立っています。あらためて御礼申し上げます」

Img_1647

■主催者挨拶
下野新聞社 観堂義憲代表取締役社長
「かたずを飲んで見守る頂上対決が実現しました。二人で6つのタイトルを持っています。ファンにはたまらない対局が展開されることでしょう。
年が明けてから王将戦、そして棋王戦、この2つのタイトルを持っていると忙しくなります。渡辺棋王はほとんど毎週大勝負があります。来週は王将戦と棋王戦、3月はA級順位戦もあります。渡辺棋王は『慣れているので大丈夫です』といいます。
羽生名人も経験はされていますので、体調調整はわかっていることでしょう。渡辺棋王は連敗後連勝が得意で、今期はA級順位戦で3連敗後に5連勝で勝ち上がっています。4人のプレーオフの可能性があります。頑張ってください。
ブログでファンと交流されています。愛称は魔太郎だそうです。渡辺さんは週末にも更新され、A級8回戦後に広瀬さん(章人八段)や糸谷(哲郎)竜王と朝まで飲んでいたそうで、こういうところはファンとしては面白いですね。
羽生名人は万人が知っている実績、押しも押されぬ大スターです。無人の野を駆け巡っているようです。本年度の成績は対局数、勝数で1位。昨年は賞金王にもなりました。
どこまで強いのか、恐るべき棋士です。強い状態を保った棋士は大山康晴十五世名人ですが、48歳まで名人を保持されていました。69歳で亡くなられたときはA級でした。超人鉄人。羽生名人には60歳名人を実現してほしいですね。
二人の対戦成績は渡辺さんの31勝、羽生さんは30勝。羽生さんにとって、50局以上対局している相手の中で渡辺さんは唯一負け越している棋士であり、因縁の対決です。
明日は将棋まつりも行われます。こちらも大いに楽しんでください」

Img_1650

■来賓挨拶
宇都宮市教育委員会文化課 岡地宏課長補佐
※宇都宮市の佐藤栄一市長がご欠席のため、代理
「こうしたトップ棋士の対局が、宇都宮で行われることは市民はもとより、多くの方にとって大きな楽しみだと思います。
とちぎ将棋まつりは、小学生、級位者大会や初心者でも楽しめるどうぶつしょうぎのコーナーなど、将棋の文化の裾野を広げる催しが数多く行われると聞いています。
ぜひ多くの方に『王手で愉快だ宇都宮』の言葉通りに将棋を楽しんでもらえればと思います。市外からお越しの皆様には将棋のみならず、宇都宮のおいしいものや名勝を堪能していただければと思います」

Img_1654

■乾杯
日本将棋連盟会長 谷川浩司九段
「昨年は渡辺棋王が強すぎて、第4局が行われなかったのですが、毎年宇都宮の開催をしてくださっています。
将棋ファンとしても有名な観堂社長をはじめ、下野新聞の皆さま、実行委員会や地元の方に厚く御礼申し上げます。
将棋連盟の代表としては、対局者の紹介をするところですが、観堂社長にすべてしゃべられてしまいました。
少しだけ付け加えますと、羽生名人は今回で120回目のタイトル戦登場になると思います。勝率は7割5分以上ととんでもない成績であります。
渡辺さんもこれまでの20回のタイトル戦で14回の獲得。7割の勝率。この二人がぶつかるということで、ファンが待ち望んでいるカードだと思います」

Img_1658

(書き起こし=銀杏、写真=文)