図の局面、加藤九段は「後手が盛り返して大変になった」と考えている。
加藤九段「▲6三金は△6九角があるんだね(※1)。それによく見たら▲金△角桂で先手が駒損だ。郷田さんの背がシャンとしてきましたね。やはり、よく考えるのがいいんだよ(※2)、ふふふ。明さんは『こうなるはずじゃなかった』と思っているんじゃないかな。▲2四歩はどうだったのかな。あ、明さんの扇子の動きが速くなってきた。これは羽生さんと同じ。羽生流ですよ。うーん、どうするんだろう。こう指す、こうなる、こうくる、こうくる(以下略)」
※1:金を手放すと△6九角に▲6八金打とできないため。
※2:52手目△5三同金に2時間24分の長考のこと。加藤九段も長考派だ。
大盤解説会では藤井九段と片上六段が解説中。
図で▲6三金△6九角▲7二金△5八角成▲2三歩成△同金▲5二飛(参考図)が厳しく、一時は先手よしに見解が傾いたが、そこで△3二桂で容易ではないとわかった。やはり難しいようだ。
(牛蒡)