感想戦終了後に里見香奈女流王座と挑戦者に決まった加藤桃子女流四段の記者会見が行われました。
【五番勝負に向けた両者の抱負】
加藤 今期は昨年に続いての挑戦ということで、タイトル挑戦できたことをうれしく思います。挑戦者になれたので、タイトル獲得に向けて全力で臨みたいと思います。
タイトル戦というと東京や大阪だけでなく、さまざまなところに行けるのがいいところ。普段以上の力を出せるように頑張りたいです。
里見 今日対局を観戦して、加藤さんは勢いある将棋で挑戦権を決められた印象があります。五番勝負は自分の力を出し切れるように精一杯頑張りたいです。
【質疑応答】
――加藤女流四段にとってはクイーン王座がかかるシリーズになります。
加藤 クイーン王座は昨年も狙っていましたが、届きそうで届かず、厚い壁に阻まれました。獲得したい強い気持ちを対局で表現できたらと思います。
――昨年を踏まえて、どのように戦いたいですか。
加藤 昨年は死闘で、最終局は将棋大賞の女流名局賞にも選んでいただいて、大熱戦だったと思います。そのときの状態が続いているか、昨年から進化できているかわかりませんが、あらゆる棋戦の中でタイトルに挑戦できたのが1年ぶり(前期五番勝負以来)で光栄だと思っていて、強い気持ちで臨みたいと思っています。
――互いにどのような印象ですか。
里見 加藤さんは隙のない将棋という印象があります。
加藤 里見さんは1年中タイトル戦に出続けていて、それでいて高いパフォーマンスを出されています。新たな将棋を指しながらまとめていくところはかっこいいと思っています。どんな戦型でも指されて王者の将棋だと思います。
――里見女流王座にうかがいます。五番勝負は現在行われている白玲戦とダブルタイトル戦になります。そうした対局をこなすうえで心がけていることはありますか。
里見 昨年の女流王座戦では体調を崩してしまい、対局を延期していただきました。今年はより体調管理に努めて五番勝負に臨めたらと思っています。
――加藤女流四段は7月に関西に移籍しました。狙いや効果をお聞かせください。
加藤 移籍したのは気分転換なので申し訳ないですが、環境が変わって将棋に接する時間が増えました。効果がすぐ出るとは思っていませんが、関西で先輩や棋士に教わって感謝しています。前期の五番勝負からあまりパッとしなくて、挑戦者になかなかなれず、今日を負けたらきついなと思っていましたのでホッとしています。そうしたことは今日で終わりでタイトルに向かっていきたいです。
――里見女流王座と西山女流三冠がタイトルを持ち合っています。西山さんに勝って挑戦です。現在の女流棋界を踏まえて牙城を崩しにいく思いをお聞かせください。
加藤 タイトルを2人で分け合っていますし、どのシリーズも2人のどちらかの名前があって2強ですけど、それが続くのはよくないと思っています。強いのでそうした状況は仕方ないですが、あきらめるのはよくないので食らいつきたいです。盛り上げつつも虎視眈々と狙っていきたい。
最後に花束が贈呈され、記念撮影が行われた。
今期の五番勝負日程は以下の通りです。
第1局 10月25日(水)東京都文京区「ホテル椿山荘東京」
第2局 11月10日(金)宮城県仙台市「懐石料理 東洋館」
第3局 12月5日(火)山形県天童市「天童ホテル」
第4局 12月11日(月)東京都渋谷区「東京・将棋会館」
第5局 12月19日(火)東京都渋谷区「東京・将棋会館」
以上で挑戦者決定戦のブログ更新を終わります。
ご観戦誠にありがとうございました。