本日の予定
第2局は12月6日10時開始
おはようございます。本日は里見香奈女流王座に加藤桃子女流三段が挑戦する第12期リコー杯女流王座戦五番勝負第2局が、岐阜県岐阜市「十八楼」で行われます。第1局は里見女流王座が先勝しています。
第2局は当初、11月16日に福島県郡山市「郡山ビューホテルアネックス」で行われる予定でしたが、里見女流王座が新型コロナウイルスに感染したため延期になり、当初第3局が予定されていた日程で第2局が行われます。
持ち時間は各3時間。第2局の先手は加藤女流三段。昼食休憩は12時から13時。10時30分と14時30分におやつが出されます。
本局の立会人は福崎文吾九段、記録係は藤井奈々女流初段、現地大盤解説会の解説は折田翔吾五段、聞き手は石本さくら女流二段が務めます。
【日本経済新聞】
https://www.nikkei.com/
【リコー杯女流王座戦YouTubeチャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCBfX7SZKvKun33FyBvKxthQ
【棋譜中継】
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/12/joryu_ouza202212060101.html
(岐阜市のマンホールには鵜飼の鵜とアユが描かれている)
前夜祭(6)
(再び棋士が登壇。福山知沙さんの進行で、見どころを語る)
福崎文吾九段「3年前にお会いした方もいらっしゃって、うれしかったです。30年くらい前に羽生善治さんと王座戦のタイトル戦を岐阜でやったんです。僕が負けて、次の日に金華山を登ったんです。そしたら、羽生さんがついてきて一緒に登ったんです。いまとなっては楽しい思い出です。そのころから岐阜が好きですね」
(注:1992年に第40期王座戦第3局福崎文吾王座-羽生善治棋王戦が岐阜市の「長良川ホテル」で行われた。羽生棋王が勝って、王座を奪取。その後、羽生王座が19連覇した)
近藤正和七段「日本経済新聞に20年くらい前から観戦記を書いています。株式の新聞ですから、『下がる』とか『落ちる』といった言葉はやめようと。株式をやっている方が気分を悪くしては何ですから。10年くらい前に奨励会幹事として、里見さんが三段で、加藤さんが初段で、非常にかわいらしい方ですが、負けるとつーんと怒りを抑えきれない場面もありました。勝負事だから仕方ないなと思って見ていました。最近はふたりとも丸くなったというのも違いますが、負けても悔しさを内に秘める形にして、大人になったなと感じます。里見さんは中飛車愛が強いので、中飛車だと思います。加藤さんは美濃囲いの持久戦にいくか、急戦にいくか。ただ、ここは岐阜県だけに美濃囲いに期待したいですね」
折田翔吾五段「里見女流王座とは、関西奨励会で対局したこともあります。将棋が好きだなと感じます。加藤女流三段とはそれほど話をしたことはなかったのですが、将棋は本格居飛車党で、最近は特に研究が深い印象です。今回も相当に準備されているだろうと感じます。普段から里見女流王座の対策を考えているでしょうけど、今回は手番も決まっています」
福山さん「このふたりの対局を歌にすると、どのような歌ができそうですか」
折田五段 ♪里見加藤戦は~ 名局になる~ 可能性が高いよね~♪
(折田五段の歌に合わせて踊る福崎九段)
石本さくら女流二段「明日は大盤解説会の聞き手を務めます。里見女流王座は私がアマチュア時代からトップを走っていて、私の世代は里見女流王座に憧れて、いちばんの目標にしています。加藤女流三段はずっと里見女流王座と戦っていて、私たちからするとトップの壁が厚いなと感じます。里見女流王座が五冠でタイトルを数多く維持されているので、加藤女流三段はすごい気合で女流王座戦に臨まれていると思います。前夜祭の席が隣でしたが、気さくに話をしてくださいました。先日行われた倉敷藤花戦の大盤解説会の聞き手を担当したので、お世話になったことや防衛おめでとうございますという話をしました」
藤井奈々女流初段「タイトル戦という場は、女流棋士にとっても特別なものです。勉強と雰囲気を知りたい気持ちが強くて、女流2級のころから女流タイトル戦の記録係を立候補しています。今回は久しぶりにタイトル戦の記録係です。里見女流王座と加藤女流三段の将棋はいつも見ていますが、勉強をしたいと思います」
(中締めのあいさつ 中本宗利・リコージャパン株式会社岐阜支社長)
「リコージャパンやリコー製品をご愛顧くださり、ありがとうございます。
リコーは将棋では女流王座戦を主催、ゴルフでは女子ゴルフのリコーカップの特別協賛をしています。
岐阜支社は非常に女性が活躍する職場です。これから世の中は女性が盛り上げていると感じています。リコーも『働きに喜びを』というスローガンを掲げて、岐阜支社を中心に、岐阜県に貢献できるよう精進したいと思っています」
本日の更新は以上です。明日の対局をお楽しみに!
(書き起こし=銀杏)
前夜祭(5)
(対局者が登壇)
(里見香奈女流王座あいさつ)
「第2局延期にあたり、関係者の皆さまにはご心配とご迷惑をおかけしました。大変なことだったとお察しします。心より感謝申し上げます。3年ぶりに岐阜対局を開催してくださり、岐阜の関係者にはお世話になります。明日は自分の力を出しきれるように精いっぱい頑張ります」
(加藤桃子女流三段あいさつ)
「私は岐阜県に初めて参りました。初めましての方が多いと思いますが、温かく迎えてくださりありがとうございます。盛大な前夜祭は私にとっても久しぶりで、皆さまにこうして会えることをうれしく思います。女流王座戦は私にとって思い入れのある棋戦です。2019年に女流棋士になってから初めて女流王座戦で挑戦できてうれしく思います。1局負けているので、ここから巻き返しを図りたいです。明日は先後が決まっていますが、いつものように伸び伸び指していきたいと思います」
(花束贈呈。鶯谷高校の大木原由梨さんと、池田中学校の大西徳美さんから贈呈された)
(池田さんは今年の中学選抜大会女子の部の岐阜県代表。大木原さんは昨年、岩佐美帆子・現女流2級らとチームを組み、全国高校選手権女子団体戦に岐阜県代表として出場している)
(対局者はこのあと、退席した)
(書き起こし=銀杏)
前夜祭(4)
(来場棋士紹介。左から、立会人の福崎文吾九段、日本経済新聞観戦記担当の近藤正和七段、大盤解説の折田翔吾五段、大盤解説聞き手の石本さくら女流二段、記録係の藤井奈々女流初段)
(福崎九段が代表してあいさつ)
「いまは女流棋士が強くなってきました。昔は男性ばかりでしたので、活躍を見ているだけでもうれしいです。里見さんや加藤さんは、家族の方が応援していらっしゃるのがわかります。つながっているんです。
将棋には不思議な魅力があります。誰かと繋がっているというか、思いを背負った人が土壇場で強いように思います。あと家族が大事ですね。将棋以外の世界でも高橋尚子さんとか、むちゃくちゃ家族が応援していますから。
私が尊敬する阪田三吉さんは奥さんが対局に勝ってほしいから水垢離をやっていたんです。今日は盛大に皆さんのおかげで盛り上がっています。対局者の二人には頑張っていただいて、いい棋譜を残してほしいですね」
(書き起こし=銀杏)
前夜祭(3)
(壇上で始まる準備)
(日本酒が入った樽が運ばれてきた)
(関係者が鏡割りを行う)
(用意された樽は2つ。4人ずつ、樽の前に立った)
(掛け声に合わせて、樽を割った)
(樽を覗き込む里見女流王座)
(このまま枡を持って乾杯。出席者にも後ほど、樽の中の日本酒が振る舞われた)
乾杯のあいさつ 後藤一郎・岐阜市副市長
「先ほど、里見女流王座と加藤女流三段とお話しをさせていただきました。素晴らしい対戦が繰り広げられると思いました。岐阜の話をさせていただくと、年2回、お祭りが行われます。春は道三まつり、秋は信長まつりです。今年の信長まつりは木村拓哉さんと伊藤英明さんがお見えになって、花を添えてくださいました」
(書き起こし=銀杏)
前夜祭(2)
(里見香奈女流王座が入場)
(加藤桃子女流三段も入場)
(佐藤眞澄・株式会社リコー リコーグラフィックコミュニケーションズ商品事業統括本部長)
「11月に第2局を福島県郡山市で行われる予定でしたが、里見女流王座のコロナ感染で延期になり、岐阜での対局が第2局になります。里見女流王座にお会いしましたが、すっかり回復されているようで安心しました。里見さんと加藤さんには休んでいただいて、明日に向けて体調を整えていただければと思います。第1局は里見女流王座が勝利を収めました。明日の第2局での熱戦を期待しています。 将棋に勝つためにいろいろ考える中で、工夫していく決断力、さまざまな選択肢の中で1手を選ぶ決断力、新たな一手を生み出す想像力。これらは社会やビジネスにおいても重要な要素と考えています。リコーグループは女流王座戦のサポートを通じて、将棋界の普及に尽力し、創造性のある社会づくりに貢献していきたいと考えております」
(清水市代・日本将棋連盟常務理事 )
「ふたりのお姿を拝見して、つい女流王座戦の昔のことを思い出されました。第1期女流王座戦の五番勝負に対局者として出場したのですが、お相手は10代の加藤桃子さんでした。とても初々しく、明るくて、礼儀正しくて、周りにも心配りのできる、かわいらしい『桃子ちゃん』でした。ところが、盤に向かいますと全身闘争心で、熱い対局姿勢に圧倒されました。私も大変刺激を受けて、対局内容も含めて忘れられない思い出になっています。 その加藤桃子女流三段が初めて取ったタイトルが女流王座です。今回は挑戦者になって五番勝負に戻ってきました。挑戦者になったときの記者会見で話した一言が印象に残っています。『これからタイトル戦までの間、1秒も無駄にすることなく、よく考えて臨みたい』と。『1秒も』。どれほどの研究と思いを重ねて臨まれるかが伝わる決意表明だったと思います。迎え撃つ里見女流王座ですが、私が第8期に挑戦者になったときも里見さんが女流王座でした。当時から王者の風格を漂わせていましたが、最近は何があっても不動というか泰然自若で、自然体に臨まれる姿がオーラが回りの方は圧倒される思いです。自分の記録を自分自身で破っていく、常に高みを目指して研鑽する姿は、女流棋士の目標であり、手本であり、憧れであります。 ふたりの対戦が熱戦にならないわけはございません。ふたりの対戦を最後まで楽しんでいただければと思います」
(古田肇・岐阜県知事)
「新型コロナウイルスの関係で、女流王座戦の地方対局は3年ぶりです。前回、前々回(第8期・第9期)も開催していただいているので、3回連続で選んでいただいてうれしく思います。明日の対局が楽しみでございます。天下布武の織田信長の岐阜。美濃を制する者は天下を制するといわれた岐阜。天下を分け目の戦いの関ヶ原の岐阜。将棋は相手の王将をいかに制するかですので、私は岐阜には将棋がよく似合うとかねがね思っています。近年は岐阜で将棋が盛んになっています。女流王座戦の対局のほか、数年前に高山市の高山陣屋で名人戦を行ったこともあります、また、このところ、棋士が1人、女流棋士3人が誕生しています。なんといっても、関ヶ原。秋の祭りでは人間将棋が行われています。タイトルホルダーがお越しになって、大変な人気です。今年は関ヶ原で将棋サミットも開催しました」
(書き起こし=銀杏)