2022年12月 5日 (月)

前夜祭(2)

339

(里見香奈女流王座が入場)

342

(加藤桃子女流三段も入場)

351

(佐藤眞澄・株式会社リコー リコーグラフィックコミュニケーションズ商品事業統括本部長)

「11月に第2局を福島県郡山市で行われる予定でしたが、里見女流王座のコロナ感染で延期になり、岐阜での対局が第2局になります。里見女流王座にお会いしましたが、すっかり回復されているようで安心しました。里見さんと加藤さんには休んでいただいて、明日に向けて体調を整えていただければと思います。第1局は里見女流王座が勝利を収めました。明日の第2局での熱戦を期待しています。 将棋に勝つためにいろいろ考える中で、工夫していく決断力、さまざまな選択肢の中で1手を選ぶ決断力、新たな一手を生み出す想像力。これらは社会やビジネスにおいても重要な要素と考えています。リコーグループは女流王座戦のサポートを通じて、将棋界の普及に尽力し、創造性のある社会づくりに貢献していきたいと考えております」

358

(清水市代・日本将棋連盟常務理事 )

「ふたりのお姿を拝見して、つい女流王座戦の昔のことを思い出されました。第1期女流王座戦の五番勝負に対局者として出場したのですが、お相手は10代の加藤桃子さんでした。とても初々しく、明るくて、礼儀正しくて、周りにも心配りのできる、かわいらしい『桃子ちゃん』でした。ところが、盤に向かいますと全身闘争心で、熱い対局姿勢に圧倒されました。私も大変刺激を受けて、対局内容も含めて忘れられない思い出になっています。 その加藤桃子女流三段が初めて取ったタイトルが女流王座です。今回は挑戦者になって五番勝負に戻ってきました。挑戦者になったときの記者会見で話した一言が印象に残っています。『これからタイトル戦までの間、1秒も無駄にすることなく、よく考えて臨みたい』と。『1秒も』。どれほどの研究と思いを重ねて臨まれるかが伝わる決意表明だったと思います。迎え撃つ里見女流王座ですが、私が第8期に挑戦者になったときも里見さんが女流王座でした。当時から王者の風格を漂わせていましたが、最近は何があっても不動というか泰然自若で、自然体に臨まれる姿がオーラが回りの方は圧倒される思いです。自分の記録を自分自身で破っていく、常に高みを目指して研鑽する姿は、女流棋士の目標であり、手本であり、憧れであります。 ふたりの対戦が熱戦にならないわけはございません。ふたりの対戦を最後まで楽しんでいただければと思います」

362_2

(古田肇・岐阜県知事)

「新型コロナウイルスの関係で、女流王座戦の地方対局は3年ぶりです。前回、前々回(第8期・第9期)も開催していただいているので、3回連続で選んでいただいてうれしく思います。明日の対局が楽しみでございます。天下布武の織田信長の岐阜。美濃を制する者は天下を制するといわれた岐阜。天下を分け目の戦いの関ヶ原の岐阜。将棋は相手の王将をいかに制するかですので、私は岐阜には将棋がよく似合うとかねがね思っています。近年は岐阜で将棋が盛んになっています。女流王座戦の対局のほか、数年前に高山市の高山陣屋で名人戦を行ったこともあります、また、このところ、棋士が1人、女流棋士3人が誕生しています。なんといっても、関ヶ原。秋の祭りでは人間将棋が行われています。タイトルホルダーがお越しになって、大変な人気です。今年は関ヶ原で将棋サミットも開催しました」

(書き起こし=銀杏)