▲里見香－△山根戦は16時18分、103手で里見女流四冠の勝ちとなりました。消費時間は▲里見２時間50分、△山根２時間47分（チェスクロック使用）。勝った里見女流四冠は挑戦者決定戦に進出。五番勝負出場権を懸けて、伊藤沙恵女流三段と対戦します。

図は15時前の局面。里見女流四冠が▲６三銀と打ったところです。強烈な銀捨てで、△６三同金は▲６一角が王手金取りになります。△６三同玉しかなさそうですが、▲７一飛成と取った手が▲４一角以下の詰めろになっていそうで、決まっていてもおかしくなさそうです。

図は15時20分頃の局面。里見女流四冠は３一に飛車を下ろしました。攻防に利かした印象で、▲４三歩成△同金▲４一飛のような順は選ばずに、丁寧に指しています。

図から里見女流四冠は▲６四銀と飛車を取り、△同歩に▲５九桂（下図）と受けに回りました。一直線の攻め合いではなく、いったん受けておいて時間を稼ぐ方針で、△８七銀や△５八銀にはそこで攻め合いに出るものと思われます。

図は14時すぎの局面。▲4五歩の角取りに山根女流二段が△３六歩と攻め合ったところです。以下、▲４四歩なら△３七歩成▲同金に△８七銀が飛車角両取り。また▲３六同銀には△５五角（▲同銀は△６七飛成が入る）と王手で出られます。里見女流四冠の優勢で変わりはなさそうですが、山根女流二段は必死の反撃で勝負形に持ち込もうとしています。里見女流四冠はここでどのように対応するでしょうか。

（対局開始時、礼を交わす両対局者）

里見女流四冠は△３六歩に▲５六銀と６五から銀を引きました。▲３六同飛と取って強く応戦する順も考えられたところですが、この▲５六銀も次に▲５五歩の銀取りや▲３四金、また▲８五歩△６四飛に▲６六歩から▲６五歩と、後手の攻め駒を攻める手が厳しく残っており、冷静な一手といえそうです。現局面は後手の攻めが難しく、先手が優勢に立ったようです。

（対局再開を待つ里見女流四冠）

（対局再開前、記録机に目を送る山根女流二段）

（続いて、棋譜用紙をのぞいた）

（席を外していた里見女流四冠が戻ってきた）

（12時40分になって対局が再開された）

（30秒ほど経って、△３六歩を着手した山根女流二段）

（里見女流四冠は３六に置かれた歩に視線を送っていた）

12時40分に対局が再開されました。山根女流二段はさらに30秒ほど考えてから、△３六歩と歩を合わせていきました。

（昼食休憩時の盤面）

（昼食休憩時の芙蓉の間）

図の局面で昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲里見47分、△山根１時間12分（チェスクロック使用）。昼食時の注文はともにイレブンのサービスランチで、里見女流四冠が「牛肉てりやき」。山根女流二段が「珍豚美人」。対局は12時40分に再開されます。