2020年9月 4日 (金)

Joryu_ouza20200904010144 図は11時前の局面。里見女流四冠が▲6五銀と立った手に対して、山根女流二段が△1三桂と端に桂を跳ねたところです。1筋の位を生かそうとする積極策で、このあと△2五桂から端攻めを狙うことになりそうです。ただ、それだけでは攻めつぶすまでには至らなさそうで、飛車角銀をどのように攻撃参加させるかの構想が問われるところです。

Photo_8 (山根女流二段は端桂の積極策を見せた)

Joryu_ouza20200904010141 初手▲7八飛戦法で始まった本局。後手の山根女流二段は得意とする向かい飛車を採用し、戦型は先手三冠飛車に後手が向かい飛車となる相振り飛車戦となりました。ともに経験豊富な形で、対局開始から30分弱で図の局面まで進んでいます。

Photo_7 (対局開始前、瞑想する里見女流四冠)

第10期リコー杯女流王座戦本戦準決勝、里見香奈女流四冠-山根ことみ女流二段の一戦を中継します。勝者は挑戦者決定戦に進出となる一戦です。
対局は関西将棋会館「芙蓉の間」で、9月4日(金)10時開始。持ち時間は各3時間(チェスクロック使用)、使いきると1手60秒未満の秒読み。先後は振り駒で決定します。
本局は潤が中継を担当します。よろしくお願いいたします。

【棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/10/joryu_ouza202009040101.html

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2020年9月 3日 (木)

Photo_13(終局直後の伊藤女流三段)

Photo_14(最後は上部開拓から逃げ切った)

Photo_15(加藤桃女流三段。果敢な仕掛けを見せたが、うまくいかなかった)

Kannsou(感想戦の様子)

Kannsou2

以上で本局の中継は終了となります。ご観戦いただきまして、ありがとうございました。もう片方の準決勝、里見香奈女流四冠―山根ことみ女流二段戦は、明日の9月4日(金)に行われます。お楽しみに。

20200903l 第10期リコー杯女流王座戦本戦準決勝、伊藤沙恵女流三段-加藤桃子女流三段の一戦は、図の局面までで伊藤女流三段の勝ちとなりました。終局時刻は16時53分。消費時間は▲伊藤女流三段3時間0分、△加藤桃女流三段3時間0分。
勝った伊藤女流三段は挑戦者決定戦進出を決めました。

20200903k

加藤桃女流三段の猛追を受けた伊藤女流三段ですが、図の局面まで進むと先手優勢で逃げ切りが濃厚になってきました。5四~6三のルートがあるため、後手の寄せは難しそうに思えます。途中、攻め合わずに上部を開拓を目指したのが好判断だったようです。

20200903j図は16時過ぎの局面。激しい攻防が続き、互いの守りが一気に薄くなりました。手番の伊藤女流三段はどうするか。ひとまず後手玉に詰みはないので、▲6三金△8二玉に▲5五玉と脱出を目指すことになるでしょうか。難解な終盤で、まだ決着は見えません。

20200903i 3筋を破られた加藤桃女流三段ですが、玉を後手陣の右辺に移動して反撃に転じています。図の△6五角は3八金と4三成桂をにらんだ厳しい一着。先手よしの雰囲気はなくなっており、現状は加藤桃女流三段が流れをつかんでいそうです。

Photo_12(辛抱を実らせて反撃に転じた加藤桃女流三段)