図は11時ごろの局面。相掛かりからひねり飛車になりました。昔からある作戦で、中井女流六段の経験が生きそうな形です。実戦は▲８六飛△８四歩▲７六飛△６三銀▲６八銀△１四歩と進行しています。じっくりとした戦いです。

（初手▲２六歩）

（４手目△８四歩）

（中井広恵女流六段）

（和田あき女流初段）

（中井女流六段の振り歩先で振り駒）

（結果は歩が３枚。中井女流六段の先手と決まった）

６月21日（金）は第９期リコー杯女流王座戦（主催：株式会社リコー、特別協力：日本経済新聞社）の二次予選から中井広恵女流六段－和田あき女流初段戦を中継します。本戦に進出を懸けた一局です。

対局開始は10時。対局場は東京・将棋会館（棋峰の間）。持ち時間はチェスクロック使用で各３時間。先後は振り駒で決定します。中継は牛蒡が担当します。よろしくお願いします。

【棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/9/joryu_ouza201906210101.html
【第９期リコー杯女流王座戦二次予選】
https://www.shogi.or.jp/match/jo_ouza/9/nizi.html

ーーお疲れ様でした。一局を通していかがでしたか。

香川　藤田さんとは以前からお世話になっているんですけど、これまで１局しか当たっていなくて今月たまたま別の棋戦で当たったんですね。藤田さんは最年少プロデビューの記録（※）も持っていますし、そういった意味で緊張感がありました。後手番だったので中段飛車で攻めに対応する作戦にしたんですけど、こちらが一気に悪くなることもありうると思いました。端にと金ができてからは攻め味ができたので、△５六歩（76手目）のような手ができるようになったんですけど、それまでは慎重に指す必要がありました。最後は時間があったので読みきろうと思ったんですけど、微妙に詰めろの連続で迫るのが難しくて。△５九角（90手目）と打ってなんとか正確に指せたかなと思いました。

ーーこれで本戦進出が決まりました。

香川　今回は一次予選からの出場だったんですけど、正直対戦相手は予選でも本戦でもきついので（笑）。本戦で指せることをうれしく思います。女流王座戦は本戦の日程がタイトなので、地力が試される棋戦だと思っています。一局でも多く勝ちたいですし、急に崩れるような将棋にならないようにしたいです。

ーーありがとうございました。最後にファンのみなさまにメッセージをお願いします。

香川　ご観戦いただきありがとうございました。女流王座戦はリアルタイムで中継していただいていますし、ご覧いただければそれだけ励みになります。本戦でも応援していただけたらと思います。

（※）藤田女流二段のプロ入りは11歳６ヵ月。香川女流三段は15歳でプロデビューした。

※この記事の写真の撮影には、PENTAX K-3を使用しました。

以上で本局の中継を終了します。次回は６月21日（金）中井広恵女流六段－和田あき女流初段戦です。お楽しみに。

（香川女流三段は本戦進出）

（藤田女流二段の本戦進出はならなかった）

（感想戦の様子）

（藤田女流二段は風邪気味だったようだ）

（一礼を交わし、感想戦が終了）

この局面で藤田女流二段が投了し、香川女流三段の勝ちとなりました。消費時間は、▲藤田２時間11分、△香川２時間８分。終局時刻は15時０分。

自陣の桂を活用し、攻めが止まらない格好になりました。形勢は香川女流三段が優勢です。苦しいながらも、藤田女流二段はここで▲４七金左と辛抱。簡単には崩れません。

端攻めが決まった香川女流三段、続いて△５六歩と角をぶつけていきました。藤田女流二段は踏ん張りどころ。香川女流三段の猛攻をしのぐことはできるでしょうか。

（リードを広げにいっている香川女流三段）

（藤田女流二段は辛抱が続く）

※この記事の写真の撮影には、PENTAX K-3を使用しました。

後手の香川女流三段が端攻めに出ました。△１八歩は嫌みな垂れ歩で、▲２八玉には△１九歩成▲同玉△２六歩などの攻めがあって先手支えきれません。実戦はここで▲６五歩と攻め合いに向かいました。

（対局再開直後。両者とも盤上没我の様子）

※この記事の写真の撮影には、PENTAX K-3を使用しました。