2019年6月21日 (金)

Dsc_0857

――昨年と比べて今年の調子はいかがでしょうか。

中井 昨年はいろいろと大変なことがありました。体調面では(手術をした)腰よりも足がきついですね。今期は調子が戻ったというか、少しずつ将棋らしくなってきた気がします。

――和田女流初段のことは昔からご存知かと思います。戦ってみていかがでしたか。

中井 和田女流初段が小学生のときから知っていますが、当時は振り飛車党でしたし、棋風もいまとはかなり違います。強い女流棋士に勝つようになり、力をつけたんだなと思っていました。本局も途中はこちらが苦しかったです。

――本局のポイントはどのあたりでしょうか。

中井 こちらに予定変更があり、失敗した感じはありました。1四に歩が残り、端を破れる形になったあたりは盛り返した気がします。でも▲1三歩成はもう少し早く決行すべきだったかもしれません。▲3四角を打ったところはよくなったと思いました。

――本戦入りを果たしました。意気込みをお願いします。

中井 挑戦者になるのがいちばんですけど、最近の自分の将棋を振り返ると、うーん……。でも少しでも挑戦に近づきたいですね。いい将棋が指せたなと、自分で思えるように頑張ります。

190621087先手が追い上げています。発端となったのは左図。△7五馬▲1三歩成△3二玉▲7五飛で飛車をさばけ、攻めの展望が開けました。


190621099さらに手が進み、▲2四とが評判のいい手です。△3五金には▲2五と(△同金は▲3四角)があります。先手が逆転したかもしれません。


Dsc_0788(中井女流六段)

190621067_1先手は▲1六歩(1図)と反発。自玉に近いのでリスクを伴う手です。以下△1六同歩▲1三歩△同香▲2五桂△4四銀▲1三桂成△同桂▲2八香△2四歩で2図。


190621067_2一連の後手の受けは強気です。1~2筋を薄められますが、最終的に中央方面に逃げれば金銀に守られて手厚いです。後手ペースの中盤戦と見られています。


Dsc_0751(朝の中井女流女流六段)

190621055図から△7七桂成▲同角△8五歩▲4五歩と進みました。ついに開戦です。中継室を訪れた松尾歩八段は、居飛車党の立場から「いい勝負ですが、先手がさばくのはけっこう大変という気がします」と話していました。ひねり飛車は振り飛車に近いですから、振り飛車党なら局面のとらえ方もまた違うかもしれません。


Imgp1549(鳩森八幡神社の拝殿。茅の輪が設置された)

※この記事の写真の撮影には、PENTAX K-3を使用しました。

190621044

再開後の一手は△9三桂でした。7筋を押さえ込まれているので9筋からという発想。8五に桂を跳ねられます。ただ、少し不安定な形なので大胆な指し方ともいえます。


Dsc_0785(朝の和田女流初段)

190621043図の局面で和田女流初段が15分使って昼食休憩に入りました。休憩時間は12時から40分間。消費時間は▲中井52分、△和田1時間6分(持ち時間は各3時間)。和田女流初段の出前注文は「冷やしむじなうどん」(ほそ島や)。中井女流六段は注文なしでした。


Imgp1542(休憩中の対局室)

Imgp1541(同じく盤面)

※この記事の写真の撮影には、PENTAX K-3を使用しました。