2015年6月29日 (月)

20150629atukadawatanabe35塚田女流2級が▲5五銀とぶつけて戦いが始まりました。△5五同銀▲同歩で角銀を手持ちになりましたが、すぐに盤上へ打ち付けています。

20150629atukadawatanabe42ここは先手の角銀が不安定のため、後手がペースをつかんでいます。忙しい塚田女流2級は▲3六歩から動きました。ただ、渡辺女流初段も手に乗ってさばきます。飛車取りを放置した△5六歩は、盤全体を見ていないと指せません。

20150629atukadawatanabe56▲2二桂成には△5七歩成でと金を作ります。自陣が堅いので、△5六角や△5五角、△6七銀の攻めが間に合いそうです。結局▲5八歩△1二飛と進行したので、歩を受けさせた分だけ後手が得しました。

苦しいと見たか、塚田女流2級が勝負手を繰り出します。まずは▲2五歩。

20150629atukadawatanabe59▲2五歩は飛車をなんとか攻めに使う狙い。駒損を回復する▲4二桂成△同飛は、4九金と2八飛が働かないので勝てないと判断したようです。

20150629atukadawatanabe67▲4一角は13時30分過ぎの局面。もうすぐ終盤に入ろうとしています。後手は銀を逃がし、香を取ったので駒得を拡大しています。先手は飛車の成り込みに懸けたいところです。

Imgp2758 (昼食休憩時の特別対局室)

Imgp2760 (先手から見た盤面)

Imgp2765 (筋違い角が向かい合う。ここの攻防が勝敗をわけそうだ)

Imgp2761 (塚田女流2級の玉将)

Imgp2762 (渡辺女流初段の王将)

Imgp2767 (本局はタブレット記録。持ち時間は秒単位で表示される)

※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しました。

20150629atukadawatanabe30戦型は渡辺女流初段の角交換振り飛車。猛烈なスピードで進んでいましたが、△4四銀を見て塚田女流2級が手を止めました。
後手は△3三桂~△2五歩の飛車交換が狙いになります。先手はそれに妥協せず戦う順を用意したいところです。

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Dsc_8196 (写真は対局開始前の両者)

第5期リコー杯女流王座戦は二次予選が進行中。
2015年6月29日(月)は、渡辺弥生女流初段-塚田恵梨花女流2級戦をお送りします。本局の勝者は本戦に進出です。

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対局は東京・将棋会館にて10時開始。持ち時間は各3時間(チェスクロック使用)、使い切ると1分将棋となります。

本局の中継は紋蛇がお送りいたします。よろしくお願いいたします。

2015年6月26日 (金)

Img_8744感想戦は序盤、中盤、終盤でポイントを絞って行われた。

Img_8749序盤は作戦失敗で流れがおかしかった、と長沢女流四段。

Img_8754藤田女流初段は歯を食いしばって感想戦。本局に懸ける強い思いがあったのだろう。

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Img_8760【長沢女流四段の感想戦終了後の談話】
――対局を振り返って、まず序盤はいかがでしたか。
「最初に端を突かれて(4手目)▲6六歩と止めるのでは流れがおかしいかなと思いました。飛車先交換(17手目)のタイミングもどうだったかなと。早すぎた感じがします。こちらは駒がバラバラで全体に立ち遅れている感じで、早い段階で動かれたら苦しくなりそうだなと思っていました」
――作戦失敗の序盤戦から立ち直ったのはどのあたりですか。
「△6四歩(42手目)▲同歩に△3五銀と仕掛けて来られたのですが、それがちょっと危険だったのかもしれません。そこからはこちらも戦える形になりました。△3五銀のところ△5五銀とされていたら、こちらは模様が取りづらく自信がありませんでした」
――形勢が良くなったと思ったのはどこでしょうか。
「中盤はずっと難しいと思っていて、桂得して竜を作って(77手目)ようやく自信が出てきました」
――終盤は差が縮まったと思われた局面もありましたが、終わってみると鮮やかに決まっていました。
「もう少しいい手順があったのかもしれませんが、こちらも△2七歩が入っているのであまり乱暴もできなかったです。特に飛車を渡すとすぐに詰めろがかかってしまうので、飛車だけは渡さないように寄せを組み立てました」
――リコー杯は初の本戦出場ですね。
「はい。本当にうれしいです。今日は自分にとって大きな一番なので、朝から気合いを入れて臨みました」
――本戦への意気込みをお願いします。
「皆さんとても強い方ばかりですから、目の前の一局を大事にして全力を尽くしたいと思います」

本局の中継はこれで終了いたします。
ご観戦誠にありがとうございました。

Joryu_ouza20150626010158図は14時過ぎの局面。昼食休憩明けに後手が動きを見せ、技を掛けにいけば、先手も一歩も引かずに激しいたたき合いに進んでいます。△2六飛は6六の銀取りと角交換から△2八角を狙いにしており、全ての狙いを防ぐことは難しくなっています。ここは正確な対応が求められるところ。息詰まる局面を迎えています。

Imgp2739昼食休憩明けから思い切った攻めに出た藤田女流初段。

Imgp2731長沢女流四段も堂々と最強の対応で迎え撃っている。

※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しました。