後手、完封勝ちを目指す
本日の使用駒
(本日の対局で使用されているのは、富月師作、菱湖書の盛上駒。堅い矢倉に守られている先手玉には「菱湖書」と書かれている)
(比べると、やはり後手玉は不安が多い形。こちらには「富月作」と書かれている)
※この記事の写真はリコー社製一眼レフカメラ、PENTAX K-30で撮影しています。
対局再開
昼食休憩に
伊藤奨励会1級、序盤は快調に
(11時頃の記録用紙。後手・伊藤奨励会1級側は持ち時間を1分も消費せずに指し手を進めているので、36手目まで消費時間欄は空白が続いている)
まだ午前中だが、残り時間に早くも43分の差が付いた。持ち時間が3時間の将棋で、43分の差は大きい。難解な終盤戦に入った時、もしかしたら中井女流六段が一方的に時間で苦労する展開も考えられるところだ。
これも、先ほど勝又六段が語っていた「自分の得意形に持ち込むメリット」なのかもしれない。
伊藤奨励会1級が初めて時間を使ったのは【図】の局面。
角の利きをいかした△3五歩▲同歩△3六歩の仕掛けに備えて、先手が▲2七飛と角のラインから逃れたところだ。
ここで伊藤奨励会1級は約20分考えて、△3五歩と果敢に仕掛けていった。先手が受けの手を指して待ち構えているところだったが、そこで仕掛けていくのは非常に強気な指し手。伊藤奨励会1級の積極的な棋風が全面に出ている将棋になってきた。
※この記事の写真はリコー社製一眼レフカメラ、PENTAX K-30で撮影しています。
戦型は、伊藤奨励会1級の得意形に
(対局開始時の伊藤奨励会1級。本戦1回戦に続き、自身が得意とする力戦矢倉の形に持ち込んだ)
【参考棋譜】
第3期リコー杯女流王座戦本戦トーナメント 鈴木環那女流二段 対 伊藤沙恵奨励会1級
中継室を訪れた勝又清和六段は、【図】の局面を見ると「お、伊藤さんはいつものやつですね。この戦型を指すメリットですか?自分が経験豊富な得意形に持ち込めるというのは、十分なメリットでしょう」とコメントをくれた。
※この記事の写真はリコー社製一眼レフカメラ、PENTAX K-30で撮影しています。
対局開始
(中井女流六段は、開始時刻の10分前に対局室へ到着。記録係に、どちらの席に座ればよいかを確認してから着席した)
(対戦相手を待つ間、中井女流六段は目を閉じながら集中を高めていた。伊藤奨励会1級が到着すると、「上座で失礼します」と簡単なやり取りが交わされてから、すぐに対局の準備が開始された)
(伊藤奨励会1級。1回戦では鈴木環那女流二段に勝利して、2回戦進出を決めた)
(振り駒の結果は「歩」が4枚。中井女流六段の先手が決まり、対局が開始された)
(対局室の光景。本局が行われている銀沙は、本局の横でも対局が行われている)
※この記事の写真はリコー社製一眼レフカメラ、PENTAX K-30で撮影しています。