松尾七段の見解(中盤戦)
本日、東京・将棋会館で行われる対局の立会人を務めるのは松尾歩七段。
14時頃の局面について、松尾七段に見解をうかがった。
松尾七段「△3三銀と引いた時は後手の角が使いづらく重たい形かなと思っていたのですが、現局面は△1三角から上手く活用できています。最初から角は端から使う予定だったのでしょうね。後手玉は堅くまとまっていますし、△1四香などで歩を補充できれば角の利きを生かして△5八歩▲同飛△5七歩▲5九飛△5六飛と銀を取る狙いもあります。相手の手に乗って上手く指していると思います。対する先手ですが、端を逆用されてはいいところがなくなってしまうので、ゆっくり陣形を整え直すような余裕はありません。現在の局面はほぼ互角だと思いますが、先手は上手くまとめるのが大変で後手に針が振れやすい感じがします」
どちらがリードするか。ここが中盤の勝負所のようだ。
本日の使用駒
(昼食休憩時、後手側から見た実際の局面。受けに回る展開となっている)
※この記事の写真はリコー社製一眼レフカメラ、PENTAX K-30で撮影しています。
対局再開
昼食休憩に
両者の指定局面
22手まで進んだ【1図】は、両者にとって指定局面とも言える局面。
今年の4月から5月にかけて両者によって争われた第25期女流王位戦五番勝負でも2回現れており、1回目(第1局)は千日手、2回目(第3局)は先手の甲斐女流二冠が激しい攻め合いの末勝利している。
この短期間に3回目。両者に十分な研究や改善案があると見るのが自然なところだろう。
甲斐女流二冠が続けて結果を残すのか、それとも清水女流六段がリベンジを果たすのだろうか。
【2図】は、甲斐女流二冠が25手目に▲5九飛と引いて前例から離れた局面。
自身が勝利した第25期女流王位戦五番勝負第3局では▲3六歩△7四歩▲5五歩と仕掛けていたが、自分から前例と別れを告げた。
▲5九飛も自然な一手だが、本譜は甲斐女流二冠の誘導によって、緩やかに前例とは違う展開に進み始めた。
清水女流六段の扇子
将棋会館1階の販売ブースや、公式オンラインショップ(http://www.rakuten.co.jp/shogi/)では、本局を戦っている清水女流六段の扇子も取り扱っている。
清水女流六段が揮毫したのは、「一歩氷心」。
「一歩一歩大切に進む、清い気持ち」といった意だ。
清水女流六段だけではなく、様々な女流棋士の扇子が扱われている。
(もちろん、男性棋士の扇子も取り扱い豊富。棋士によって揮毫される言葉は様々で、それぞれの個性を感じることが出来る)
(中には、羽生善治名人と佐藤康光九段の百番指し記念の直筆扇子といったレアアイテムも)
※この記事の写真はリコー社製一眼レフカメラ、PENTAX K-30で撮影しています。
中飛車対居飛車の対抗型に
2手目に△8四歩と居飛車を明示した清水女流六段に対して、甲斐女流二冠は8手目に▲5八飛と中飛車に構え、本局は中飛車と居飛車の対抗型となりました。
※この記事の写真はリコー社製一眼レフカメラ、PENTAX K-30で撮影しています。
対局開始
両者による対戦成績は、13勝13敗とがっぷり四つ。両者相譲らずといった格好だ。
2人の対戦では記憶に新しいのは、今年度に入って行われた第25期女流王位戦五番勝負。結果は3勝1敗(1千日手)で甲斐女流二冠がタイトルを防衛した。
本局も熱戦が期待される。
※この記事の写真はリコー社製一眼レフカメラ、PENTAX K-30で撮影しています。
対局開始前
※この記事の写真はリコー社製一眼レフカメラ、PENTAX K-30で撮影しています。