才能を感じる手
わざと一手損?
昼食休憩前、里見女流四冠は8八から上がったばかりの9七角を7九へ。8八→9七→7九と、一手損をしました。一体どういう狙いなのでしょうか。
「ここは角を引かずに▲6四歩から△同歩▲同銀△同銀▲同角(参考1図)と銀交換する手も自然でしたね。そこまで進むと、後手は角成りが受けにくいです」(棋士室に訪れた阪口悟五段)
「もしかすると、△8二玉と上がらせてから▲5七角と転換したほうがいいと判断したのかもしれません。玉の当たりがきつくなっているかもしれませんから」(阪口五段)
玉の当たりがきついとはどういうことなのか。例えば、△1四歩▲5七角△1五歩(参考2図)と進んだ局面。

以下、▲8四銀△同銀▲同角(参考3図)。

「こう進めば、次に▲9五歩からの端攻めが厳しくなっている可能性があります。後手は5三銀が働いていないのが気持ち悪いですね。守備に役立たないなら、せめて攻撃に働かせたいです」(阪口五段)
実戦は、47手目▲7九角から△4四銀▲5七角△3五銀と進みました。

伊藤1級は▲8四銀を甘受する代わりに、先手の玉頭に圧力をかける手順を選びました。▲8四銀と出られる局面ではありますが、後手がカウンターを狙っているので難しいようです。
対局再開
昼食休憩中の芙蓉の間
昼食休憩
12時10分、ここで里見女流四冠が16分考えて昼食休憩に入りました。消費時間は▲里見45分、△伊藤1時間3分。対局は13時に再開されます。
石田流VS銀冠
図は▲7八銀と上がった局面。伊藤1級は△8四歩と突きました。
一瞬悪形になりますが、次に△8三銀から銀冠を作る狙いです。後手は上部に厚い囲いにできれば、先手の飛車と桂を圧迫することができます。対して里見女流四冠は▲6七銀~▲6六銀~▲7五銀と銀を繰り出し、後手の厚みに対抗しました。
上図は11時30分頃、8八角を9七に上がったところ。先手は石田流の攻撃的陣形、後手は銀冠を構築できたのが主張です。
先手はいつでも▲6四歩から仕掛けることができますが、それでよくなるかまた難しいところ。ともにそれを頭に入れながら、駒組みを進める必要がありそうです。
戦型は相振り飛車に
里見女流四冠は▲7六歩△3四歩▲7五歩と石田流を採用しました。女流棋戦では先手無敗(18戦全勝)と圧倒的な数字をたたき出している出だしです。里見女流四冠の得意戦法に対し、伊藤1級は△5四歩から相振り飛車へ進めました。
対局開始
本戦準決勝、里見香奈女流四冠-伊藤沙恵奨励会1級戦
おはようございます。8月14日(水)は、本戦準決勝より里見香奈女流四冠-伊藤沙恵奨励会1級戦をお送りします。
勝てば決勝に進出する一番。両者の対戦はこれまでなく、女流棋戦では初手合いです。
本局の棋譜コメントは牛蒡記者、ブログは紋蛇がお送りします。よろしくお願いいたします。


駒を引き、離れ駒をなくしました。自分から攻めては勝てないことを認めた順ですが、ここで後手が攻め間違えれば反撃を狙うことができます。その機会が来るまで、しばらく受けに回ることになりそうです。
里見女流四冠は▲8四銀とせずに▲6四歩と一歩交換。伊藤1級も5筋を交換し、互いに攻撃陣を再編しました。
先手が▲8六歩とパスすれば、△2六銀が厳しいです。以下、▲2七歩には△3七桂成(参考1図)の強襲があります。
▲3七同銀は△2七銀成。▲3七同桂も△同角成▲同銀△2七銀成(参考2図)の強襲があります。









