序盤から馬を作る展開
振り駒は真田女流二段の振り先で「歩」が3枚でした。ですので真田二段の先手となり初手から、▲7六歩△3四歩▲5六歩と進みました。
この手に反応し、後手の中倉女流二段は△8八角成▲同銀△5七角と角を敵陣へ打ちこみます。
ここに角を打つことによって、後手は馬を作ることができます。△8四角成と△2四角成の二つの狙いを両方受けることはできないためです。
ここからは先手は手得が、後手は馬ができたことが主張となります。その主張を生かし、どこでどちらが得をできるかが問題となります。
このあとはお互いに囲いあい、以下のような局面になりました。
対局開始
真田彩子女流二段-中倉宏美女流二段戦
おはようございます。
2013年7月12日(金)は第3期リコー杯女流王座戦・本戦1回戦、真田彩子女流二段-中倉宏美女流二段の一戦を中継いたします。
対局場の東京・将棋会館「高雄」にて10時より開始。持ち時間は各3時間、先後は振り駒で決まります。
本局の棋譜コメント中継は牛蒡記者が、中継ブログは独楽が担当いたします。よろしくお願いいたします。
本日の写真の撮影には、PENTAX K-30 を使用しております。
本日の記録用紙
終局後、渡辺女流1級の感想
終局後、勝利した渡辺弥生女流1級が中継室を来訪して本局について改めて振り返ってくれた。
※以下は、キーポイント部分のコメント。詳しくは、棋譜コメントをご覧ください
-清水女流六段から「いい手でしたね」と声をかけられていたのが、中盤戦で【図】の局面から△7一玉(44手目)と組み替えを目指した構想です。
渡辺女流1級「途中までは待ちの姿勢だったのですが、玉が8二のままでは先手に角でコビンを狙われる筋が厳しすぎます。後手は、先手のように穴熊には出来ないので、本譜のような構想となりました」
-難解な終盤戦については、対局中どのように見ていましたでしょうか?
渡辺女流1級「自玉の左辺が開けていたのと、先手の攻めがそれほど太い形ではなかったので、正確に指しきれば自分にも勝機はあるとは思っていました。ただ、最後まで自信のない勝負でした。終わってみて、何とか残していたなといった印象です」
※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しました。