2013年6月14日 (金)

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―― 西山奨励会1級の印象と本局を振り返って頂いていかがだったでしょうか

千葉「基本的には西山さんの印象は前回対戦したときと変わってないです。線が太く大崩れしない、攻撃力がありそうといった印象です。本局はその攻撃力が出にくい形にできたのが良かったです。彼女の飛車回りが当たらない展開になったので」

―― 勝ちを意識した局面はどの辺りでしょう

千葉「△3三玉(118手目)と立って自玉が寄らず、西山さんの玉も入玉できそうにないので勝ちかなと感じました」

―― 本戦の意気込みをお願いします

千葉「持ち時間が長い棋戦の1つなので、じっくり考えることができるのは嬉しいですね。時間を使う方なので。勝ち上がれば強い人と指すことができますし、勉強になります」

―― インターネット中継を見ているファンの方に一言お願いします

千葉「女流棋士の中でも、じっくりと得を広げるような押さえ込む将棋で絶滅危惧種のような将棋なのですが(笑)。その辺りの駒組み勝ちを目指す序盤を楽しんで欲しいです」

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(感想戦で笑顔を見せる島井咲緒里女流二段)

―― 昼食休憩までの局面(42手目△2四歩)を振り返ってください。

島井「飛車先の歩を伸ばせて、やったことはない形でしたが得をして、楽な感じで指せていました。昼休後の角を打ち合ったあたり(50手目△6九角、51手目▲6一角)は、飛車先の歩を伸ばせている分、いいかなと思っていました」

―― 中盤は攻めあぐねているのかなと思う局面もありましたが、どう見ていましたか。

島井「持ち駒が少なかったので難しかったです。▲5一飛(71手目)で銀を使わせて、斜め駒(角・銀)が入ればと思っていましたが決めすぎだったかな。ちょっと焦っていたのかもしれません。思っていたよりも駒不足でした」

―― 勝ちになったと思ったのはどのあたりですか。

島井「▲6二角成(107手目)から詰めろがかかるようになって、勝ちになったと思いました。それまではよくわからなかったです」

―― 関西将棋会館での対局は初めてですよね。

島井「実は15年くらい前に一度指しているのですけど(1997年、鹿島杯予選、鹿野圭生女流初段=現女流二段=戦)、ほとんど覚えていません。今日とは別の部屋で対局だったような気がしますけれども。わからないことが多かったですが皆さん親切で、対局しやすかったです」

―― 最後に、本戦に懸ける意気込みをお聞かせください。

島井「去年はツキもあって2回戦にいけたのですが敗れたので、それ以上を目指します。どの棋戦でもベスト4に進んだことがないので、ベスト4まで行きたいです」

―― ありがとうございました。

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(感想戦終了後、棋士室に立ち寄り、中継を見ながらインタビューを受ける)

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(棋譜に目を通しつつ質問に答える真田女流二段)

―― 北村女流3級と戦ってみての印象は?

真田「棋譜を見ての北村さんは、緩急を付けてくる印象でした。本譜もそのような将棋で、中盤は間違えられない緊張感ある局面が続いていました。形勢が有利になったかと感じたのは、△8七歩成▲同歩△8二飛(84手目)と回った局面です。先手は、8筋が受けにくいのではないかと見ていました」

―― どの局面で勝ちを意識されましたか?

真田「北村さんに凄い受けをされ、終盤戦は場合によっては逆転もありえたかと思います。難しい勝負だったのですが、△7六桂と打って相手に駒を渡さずに寄せにいけるようになったところで勝ちを意識しました」

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―― 本戦トーナメント進出を決め、抱負をお願いいたします

真田「こういった時にいつも思うのですが、難しい質問ですよね(笑)。とにかく、目の前の1局1局に全力を尽くしていきたいと思います」

―― インターネット中継をご覧頂いている将棋ファンの方に、一言お願いいたします

真田「自分が勝つことで、同世代の方が少しでも元気になればと思っています。同世代の方は、是非応援よろしくお願いします」

(書き起こし・梅、撮影・吟)

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関西将棋会館で行われていた▲島井-△船戸戦は16時2分、117手で島井女流二段の勝ちとなりました。消費時間は▲島井3時間0分、△船戸2時間9分(持ち時間各3時間、チェスクロック使用)。島井女流二段は、2期連続2回目の本戦進出を決めました。

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島井女流二段の攻めが、ついに船戸玉を捕らえたと言われ始めています。図の▲5六歩で馬の処置が難しくなっています。

馬が逃げると、▲8二角成の王手がまた厳しい手です。玉の逃げ場がほとんどないため、受け方次第では▲7二馬~▲5五銀で詰む筋が生じます。