2012年9月 3日 (月)

166
16時過ぎ、控室は棋士や関係者が増えて賑やかになってきた。

160
北島忠雄六段。

159
遠山雄亮五段。

北島六段と遠山五段が検討に参加して検討が進んだ結果、見解は再び先手持ちに変わってきています。
「現局面は先手が良くなる順がたくさんあります。後手はそれを耐えて互角を維持できるかどうか。僅かなミスですぐに後手が悪くなる恐れのある局面です」(遠山五段)

(八雲)

46_348_2

先手の▲8六歩に対して本田女流二段は△6五歩(左図)と仕掛けます。
この手が指された瞬間、「そこ」、「そこ!」、「そこ?」と控室で同じ言葉が重なりました。

▲6五同歩に△同桂で銀の両取りを狙ったものですが、自玉にキズを作るだけにリスクの高い手のようです。以下▲3五歩△4四銀(右図)まで控室の予想通りの進行。ここから▲6五歩△同桂▲6六銀右△7七桂成▲同桂△3五銀▲5六飛(参考図)まで進めて、高崎六段は「こうなると後手が嫌な展開」として検討を打ち切りました。さらに検討が進められていますが、後手が難しい状況にあるようです。

実戦は48手目から▲3四歩△5五銀と進み「中央を制した後手の模様がいい」と控室の見解は再び後手持ちに傾いています。

55

(八雲)

45
まもなく15時というところで、里見女流四冠は▲8六歩と突きました。この手は△4五歩を突いた後手は△8一飛とは回りづらいことを見越した手。△4四銀ならそこで▲5六銀と上がるのがうまい手順のようです。
消費時間は▲里見2時間42分、△本田1時間3分。
里見女流四冠の残り時間は18分。時間的には女流四冠が追い詰められています。

102
鳩森神社のセミ。
季節はもう秋の気配。セミの鳴き声も切ない響きに聴こえた。

(八雲)

44
直前まで千日手模様と見られていた本局ですが、里見女流四冠が▲5七銀から銀の立て直しを目指したことで局面はにわかに緊張感を増しています。△4五歩に対して▲5六銀なら激しくなる順が予想されています。

―以下棋譜コメントから抜粋―
▲5六銀に(1)△4四銀は飛車先が重くなるので、▲2四歩から歩交換されて後手自信なし。そこで(2)△4六歩に、▲4五桂△4四銀▲2四歩△4五銀▲2三歩成(参考図)といった激しい応酬が検討されている。

51_2

(八雲)

39
図は13時40分頃の局面。▲2六飛は、▲5八金と上がった際の△8五桂▲8六銀△3九角の筋を緩和した意味があります。午前中は時間を使っていた里見女流四冠ですが、休憩中に方針を定めたのか午後は見切り良く指し進め、早いペースで進行しています。

図から△5二金▲5八金△6二金と進んで14時を回りました。消費時間は▲里見1時間49分、△本田56分。
後手は待ちの姿勢。先手がどう打開するかという状況です。

134
再開前、鋭い表情で考える里見女流四冠。

(八雲)

130
昼食休憩中に来訪したのは上野裕和五段。

「先手は玉の囲い方が難しいですね。穴熊にしてもいい形ではないですし、銀冠や玉頭位取りにもできない。少し薄いですが片矢倉の形で仕掛けるのでしょうか」(上野五段)

154
13時過ぎに、本局の新聞解説を務める高崎一生六段が来訪。観戦記者の上地隆蔵さんと継ぎ盤を挟んでいる。

(八雲)