2011年11月19日 (土)

清水女流六段は二次予選からの登場。二次予選で石高澄恵女流二段、本戦では松尾香織女流初段(LPSA所属)、上田初美女王、中村真梨花女流二段に勝って決勝に。
加藤奨励会1級は一次予選で渡辺弥生女流1級、二次予選で大庭美樹女流初段(LPSA所属)、本戦では千葉涼子女流四段、岩根忍女流二段、伊藤沙恵奨励会1級に勝ち、決勝まで進みました。
1toname
(第1期女流王座戦本戦トーナメント表。画像をクリックすると大きく表示されます)

(淡)

おはようございます。いよいよ本日11月19日(土)、清水市代女流六段と加藤桃子奨励会1級が争う第1期リコー杯女流王座戦五番勝負の第3局が始まります。
場所は大阪府大阪市「ザ・リッツ・カールトン大阪」25階。
立会人は井上慶太九段、記録係は藤田一樹二段。
Twitter解説は横山泰明五段です。
棋譜・コメントを翔、ブログを淡が担当します。本日はよろしくお願いします。

(淡)

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(両対局者が退場したあとの棋士インタビュー。司会は村田智穂女流二段)

【久保利明棋王・王将】
秘策があるということで、びっくりしました。僕も1度言ってみたいですね。創意工夫があるのはいいことと思うので楽しみです。加藤さんは奨励会でももまれているし、一直線ではなくて時には将棋の中で駆け引きができる。いい将棋を指すという印象です。(加藤1級の挨拶を聞いて)何が飛び出すかわからなくなりましたので、楽しみになりました。リコー杯女流王座戦は女性なら誰でも1番を目指せるということが素晴らしいし、これから将棋を始める人にも目標になると思う。今後、皆さんで強くなっていけばさらに盛り上がる棋戦です。

【谷川浩司九段】
第1局は清水さんの先手で相掛かり。途中まで手順が一緒の公式戦があり、清水さんも加藤さんもよく研究しているなと思いました。第2局は加藤さんの先手で横歩取り。第1局は直線的な将棋で、第2局はどちらかというと曲線的な将棋でした。1勝1敗で、内容もいい勝負だったと思います。第3局の予想をしたところで加藤さんのひとことには勝てないですね。対局開始から30分くらいをまず注目したい。
 加藤さんは先ほども控え室に棋士が入ってくるたびにきちんと挨拶をしていて、礼儀正しいです。奨励会1級という立場で、普段は記録係をして対局者にお茶を入れる立場なので当然のことなのですが、きちんとしている印象です。9月21日の対局のときは私も東京にいました。清水さんと中村真梨花さん(女流二段)の対局は双方1分将棋で延々と続き、どちらが勝つか最後までわかりませんでした。記者会見予定時刻ぎりぎりまで対局が続いていたその一戦が、今期リコー杯女流王座戦を象徴していたのかなと思います。

【山崎隆之七段】
加藤さんも清水さんも居飛車党なのでまず相居飛車かと思ったんですが……、衝撃の一言が出ましたね。秘策があると。加藤さんがよく教わっている棋士に永瀬さん(拓矢四段)という人がいます。彼が振り飛車党なので振り飛車もあるかもしれません。秘策があると言われると、戦型予想もにわかに混乱してきました。言われたらやっぱり考えてしまいます。清水さんは悩む羽目になったかもしれませんね。僕なら眠れません。激しく攻め合って魅力ある将棋なので、皆さんに注目していただければと思います。

【室谷由紀女流初段】
この五番勝負は振り飛車党の私が見ていても勉強になることが多いです。清水さんは女流棋界で長年にわたって活躍していて、今期も勝率8割を超えていて好調です。加藤さんは16歳でとても勢いがあるように思います。この第3局で勝ったほうが第4局、第5局はとても指しやすくなると思います。気合が入っているんじゃないでしょうか。

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【有吉道夫九段】(閉会のあいさつ)
先ほどから加藤桃子さんが奨励会1級であると紹介されています。この奨励会とは少年少女たち叩き合いの世界で、『奨励』と気軽に入れるような名前ですが、びっくりするのが当たり前の世界なんですね。びっくりして辞めてしまう子もいれば、我慢して修行を続ける子もいます。加藤さんは16歳で1級。私の16歳の頃は3級で、2級に上がれずに大変苦しい思いをしていた時期です。天才と言う人もいるかもしれません。
清水さんは女流棋界では羽生さんのような実績を作り上げてきました。私は女流棋士とコンピュータとどちらが早く強くなるのかなと思っていましたが、どちらもスピードがあってどんどん強くなっています。将棋の世界を離れても注目される戦いです。秘策もあるということですし、女流棋士の充実ぶりと奨励会の実力にご注目ください。

(翔)

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(棋士紹介)

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【清水市代女流六段】
清水市代でございます。本日はこのよう温かい前夜祭を開いていただいて、ありがとうございます。声をかけていただき、励ましていただき、懐かしい方々ともお会いできて嬉しく思います。このような大きな棋戦を作っていただいたリコーの皆様に感謝申し上げます。お相手の加藤桃子さんは16歳というこの初々しさ。日夜高い目標を持って将棋道に邁進しております。新しい感覚を持った桃子さんと五番勝負を指せるということは、私にとっても大きなプラスになります。彼女のいいところをどんどん吸収し、明日は自分が積み重ねてきたものを出せるように指したいと思います。明日の模様は明後日の日本経済新聞に大きく載せていただけるものと思いますので、どうぞそちらをご覧いただきたいと思います。

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【加藤桃子・奨励会1級】
みなさまこんばんは。関東奨励会1級の加藤桃子です。本日はお忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。私が大阪に来たのは、小学生大会に参加した時以来2回目です。そのときは夜においしいお好み焼きを食べたことが印象に残っています。明日の対局は、五番勝負が始まる前から考えてきましたどうしても指したいと思っていた戦法があるので、それで挑みたいと思います(場内どよめき、拍手)。今回もまた緊張してしまうと思いますが、このような機会を与えてくださった全ての関係者の皆様に感謝するとともに、期待に応えられるように全力で頑張りたいと思います。

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【立会人・井上慶太九段】
明日、立会を務めます井上です。明日の戦型予想は『第1局と同じような展開になるんじゃないか』ということを言うつもりだったんですが、(加藤1級のほうを見て)秘策があると。これは大胆な意見で、いいなぁと思います。清水さんとは今年何回もお会いしましたが、対局姿勢が非常に美しい。男女合わせても1番美しいと思います。加藤さんとは今日初めてお会いしました。本当に初々しい(場内拍手)、なんで拍手が出るんかわからんけど(苦笑)、16歳で挨拶もしっかりしていて、私が16歳のときと比べてもしっかりしているなと思います。第3局の天王山、面白い対局になると思います。明日は関西将棋会館でもイベントを行いますので、そちらにもお越しください。またネット中継や日本経済新聞での報道にも注目してください。

(翔)

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(11月18日18時からホテル阪急インターナショナルで行われた前夜祭)

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【谷川浩司・日本将棋連盟専務理事(九段)】
清水さんは20年間女流棋界のトップを走ってこられた方、一方の加藤さんは奨励会で研鑽を積んでいます。ここまで1勝1敗で改めて三番勝負になったわけですが、この第3局が1番の山場です。女流棋士と奨励会員という立場の違いや年齢差はありますが、ふたりは同じ一門です(清水女流六段は高柳敏夫名誉九段門下。加藤1級は安恵照剛八段門下で高柳名誉九段の孫弟子にあたる)。清水さんは日頃から加藤さんをかわいがっているし、加藤さんも一門の先輩として清水さんを目標にしてきました。明日は関西将棋会館でのイベントもありますので、お運びいただければと思います。

【松浦芳正・リコー取締役専務執行役員】
リコー杯女流王座戦は5月に一次予選の一斉対局があり、9月21日には清水さんと加藤さんが勝ち上がることになる準決勝が行われました。この日の東京は台風で、外が轟々たる中、皆さんは悠然と将棋を指しておられてコンセントレーション(集中力)がすごいなと思いました。控え室で見せていただいたが、一手一手がハラハラドキドキ、といういい勝負でしたが、私が感じたのハラハラドキドキよりもワクワク感ですね。次どう指されるか、指した結果がどうなるのかワクワクする、これが将棋の醍醐味ですね。
この棋戦を日本将棋連盟、日本経済新聞社と一緒にさせていただくのは光栄なことと思っています。ぜひ今日は楽しんで、明日も楽しんでいただいて、そして幸いにも第4局を行うことは決まっています。それも楽しんでいただきたいと思います。明日の熱戦を期待しております。

【永野健二・日本経済新聞社専務執行役員】
私ども日本経済新聞社は特別協力としてやっております。記事をきっちり載せて、この女流王座戦を盛り上げるのが最大の仕事です。おふたりご検討を祈りつつ、乾杯をしたいと思います。

(翔)

【日程】
11月19日(土) 午前10時開場 10時40分開会 終局まで
【イベント会場】
大阪市・福島区 関西将棋会館(大阪市福島区福島6-3-11)
4F「多目的ルーム」 5F「御黒書院」対局場
JR福島駅下車徒歩3分 阪神電車福島駅下車徒歩5分
【出演棋士】   
井上慶太九段(特別出演)、山崎隆之七段(ゲスト棋士)、村田智穂女流二段、室谷由紀女流初段、長谷川優貴女流初段
【入場料】
一般1000円 駒桜会員・女性500円 小学生以下無料 ※当日支払い
【内容】
大盤解説会(次の一手出題)・指導対局・サイン会
【お問い合わせ先】
〒553-0003 大阪市福島区福島6-3-11
リコー杯 第1期女流王座戦第3局イベント係
FAX:06-6451-3626 メール:jyoryuoza@kansai-shogi.com

注)ザ・リッツ・カールトンホテルでのイベントはありません。

(淡)

Ariyosi
(有吉九段の挨拶により閉会)

Hujita
(前夜祭参加者には紙袋が配られた。紙袋を配る藤田一樹二段)

Karender
(紙袋の中身は2012年の将棋カレンダー。題字は米長邦雄会長筆。中野伴水氏が撮影した棋士の写真が毎月載っている)

(淡)

Sannin
(ステージに上がる清水女流六段、井上慶太九段、加藤奨励会1級)

Murata
(司会を務める村田女流二段)

Simizu2
(清水女流六段)

Simizu3
(清水女流六段)

Katou2
(加藤奨励会1級)

Katou3
(指してみたい戦法があると語り、照れ笑いする加藤奨励会1級)

Sannin2
(立会人の井上九段)

(淡)

Kisi2
(ホテル阪急インターナショナルを訪れた棋士たち)

Kisi3hidari
(ステージの左側。左から村田智穂女流二段、久保利明二冠(棋王・王将)、有吉道夫九段、淡路仁茂九段、西川慶二七段)

Kisi4migi
(ステージの右側。左から神吉宏充七段、山崎隆之七段、近藤正和六段、室谷由紀女流初段、谷川浩司九段、東和男七段)

(淡)