2015年12月21日 (月)

感想戦では序盤を中心に検討が行われています。序盤の作りに問題があったようで、戦いが起こったときには先手ペースで局面は推移していたとのことでした。

321(熱戦をもぎ取った佐藤(天)八段。王座戦に続くタイトル挑戦まであと1勝となった)

324(感想戦では顔をしかめる局面も)

322(敗れた佐藤(康)九段。苦しい時間を乗り越えて終盤では勝機があったようにも見えたものの、最後は力尽きた。挑戦権獲得を目指して、第2局に臨む)

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(若葉)

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▲佐藤(天)-△佐藤(康)戦は20時58分、179手までで佐藤(天)八段の勝ちとなりました。消費時間は両者ともに3時間59分。決着は第2局に持ち越されました。
第2局は1週間後の12月28日(月)に東京・将棋会館で行われます。

312_2(対局室では感想戦が始まった)

(若葉)

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本局もいよいよ大詰めを迎えています。
佐藤(天)八段は▲2七銀としばり、▲1六金以下の詰めろをかけました。控室の検討では▲2七金が挙がっていて、図の局面では打てないと考えられていました。▲2七金と金のほうを打つと、△同竜▲同馬に△8七金▲9五玉△9四金▲9六玉△7七金▲8六玉△8七馬で先手玉は頓死してしまいます。
しかし、本譜の銀打ちが読みの入った一着。銀を渡しても先手玉は詰めろになりません。なかなか結論を出せない戦いが続いていましたが、先手の勝ちでようやく検討は落ち着いたようです。

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(若葉)

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図は146手目の局面。準決勝の手数はすでに超えており、年末を飾るにふさわしい大熱戦となりました。
△9五桂から△8七桂成と後手が攻め合いに出ています。相入玉の将棋にするつもりはないのでしょう。後手が決めにいっているようにも見えますが、検討陣は△8七桂成を疑問視していて、まだまだ難しいとの見解。先手は寄せに向かう筋のほかに入玉を目指す筋もあり、先が見えないとのことです。形勢判断は後手有望に振れた局面もありましたが、現在は優劣不明となっています。

(若葉)

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駒がぶつかり、局面がほぐれてきました。盤面は終盤戦に差しかかろうとしています。
継ぎ盤の焦点は後手玉が寄るかどうか。入玉がちらつくなか、佐藤(天)八段は駒を捨てて寄せに出ています。結論はまだ出ていませんが、後手玉を寄せる手段はまだ見つかっていません。

(若葉)

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時刻は間もなく20時を迎えます。
先手が▲5三歩、▲6四歩と2枚の垂れ歩を設置している間に、後手は△1四玉から△2三玉と別の垂れ歩を取り除きました。控室では、▲5三歩を入れずに▲6四歩と垂らす変化が検討されていました。その変化と比べると▲5三歩と△2三玉の交換が入っている計算になります。本譜は△2三玉の形がしっかりしており、先手持ちの局面から難局になったのではないかといわれています。△2三玉で3四の金にヒモがついたことが大きく、含みとしてあった▲6一角の飛金両取りの筋が消えています。残り時間が少なくなっている中で、局面は優劣不明の激戦となりました。

<消費時間>
▲佐藤(天) 3時間53分
△佐藤(康) 3時間58分

(若葉)

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残り時間が少なくなり、指し手のペースが上がってきました。△3三角の局面で佐藤(天)八段の持ち時間は残り18分。対する佐藤(康)九段は残り2分です。
先手は桂を取りきり、駒得の成果を挙げました。控室では金銀をぶつける展開になれば、自然に先手が有利になるだろうと見られています。▲5五歩△同銀右▲6四歩△1四歩▲6三歩成△同銀▲5六金△5四銀▲5五金△同銀▲2二銀のような変化が一例です。

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(若葉)

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図は19時過ぎの局面。
後手が猛然と先手陣に襲いかかっています。対する先手は駒を渡さない方針。後手の攻めを余しにいっています。
図の▲1六飛が工夫の一手。控室では島朗九段が挙げていた好手です。▲2六飛が自然ですが、違いは飛車を追われにくいこと。仮に△1四歩なら▲8五歩△1五歩▲2六飛△3四金▲7七角が考えられる変化で、飛車を追われている間に目障りな桂を取り払うことができます。▲7七角の局面からは「長期戦ですね」と鈴木八段。まだまだ先の長い将棋になりそうですが、桂得の先手に分のある将棋のようです。

<消費時間>
▲佐藤(天) 3時間38分
△佐藤(康) 3時間54分

252(控室に姿を見せた島九段。検討に加わる)

(若葉)

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「戦いましたね」(鈴木八段)
「棋風ですかね」(永瀬六段)

控室の検討では後手がしのぐ展開になっていましたが、佐藤(康)九段は反撃に打って出ました。△6五歩から△8五桂(図)と駒を前に進めます。△8五桂の一手で飛角の利きが通り、攻め駒が先手陣に直射する形となりました。
しかし、そこは先手も待ち受けるところ。駒が手に入れば▲2三歩と▲3四歩の拠点が生きます。後手に攻めさせ、その反動を利用して後手玉を仕留める方針ではないかと控室では見られています。

(若葉)

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図は18時過ぎの局面。
佐藤(天)八段は飛車を▲2六飛から▲3六飛と活用しました。実に落ち着いた駒の運びで、後手は陣形をほぐすのが難しいと見てゆっくりと飛車の位置を整えました。
控室では先手の模様よしで見解が一致しているものの、いざ攻めるとなると一筋縄ではいかないようです。継ぎ盤では鈴木八段が先手側、永瀬六段が後手側を持って先手の攻め筋を検討していますが、ぎりぎりのところでしのぎがあり、単純な攻めではなかなか決まらないようです。

231(控室の継ぎ盤を挟むのは鈴木八段と永瀬六段。鈴木八段が攻め、永瀬六段が受ける形で検討が進められている)

(若葉)