両者とも持ち時間を約半分使って、折り返し地点を迎えました。盤上では入城した玉を引く▲7九玉に上がった金を引く△5二金(46手目)と、パッと見では手損のような渋い応酬が続いています。間合いを測って最善形を崩す思惑があるのかもしれません。先手からは▲4五歩△5五銀▲3五歩と桂頭を狙う手段がありますが、反動もあるため、決行するには深い読みが求められそうです。
2020年7月の記事
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1組の壁
竜王戦ではどのクラスからも挑戦の可能性がありますが、決勝トーナメントは1組の上位に近づくほど有利な状況で出場できます。4組以下の棋士は勝ち進むと1組5位、1組4位と1組の棋士と当たっていきますが、現行の形式になってからこの2戦を突破したのは第28期の永瀬拓矢六段(現二冠)のみ。前期は4組優勝の藤井聡太七段を1組4位の豊島将之名人が止めました(両者の肩書は当時)。1組の壁の高さがうかがえます。
【第28期竜王戦 決勝トーナメント】
https://www.shogi.or.jp/match/ryuuou/28/hon.html
互いに主張あり
梶浦六段が角を打って3筋の歩を取りました。角交換型振り飛車ではよく出てくる筋で、振り飛車の動きを牽制しています。現在は駒組み段階ですが、先手は1歩得と端の位、後手は持ち角と玉頭の厚み、それぞれ異なる主張があってバランスが取れていそうです。
対局再開
昼食休憩
十八番のダイレクト向かい飛車
戦型は佐藤九段が得意のダイレクト向かい飛車を選んで対抗形になりました。あらかじめ△5四歩と突くことで、▲6五角の筋を緩和しているのが駒組みのポイントです。梶浦六段は▲9五歩(15手目)と玉側の端の位を取りました。後手から角交換した分だけ先手は手得しているので、その得を玉形の差に結びつけようとしています。
決勝トーナメントの進行
7月6日に開幕した今期の決勝トーナメントも、挑戦者決定三番勝負が近づいてきました。7月中にはベスト4進出者が決まります。現在、20代の梶浦六段が3連勝と快進撃を続けています。同じく若手の藤井聡太棋聖と佐々木勇気七段が敗れ、現在トーナメントに残っている6人のうち5人が40代以上になりました。1組を中心に実績のある棋士が力を見せる中、唯一残った梶浦六段の戦いぶりが注目されます。
7月6日 梶浦宏孝六段(5組優勝)○-●高野智史五段(6組優勝)
7月13日 石井健太郎六段(4組優勝)●-○梶浦宏孝六段(5組優勝)
7月22日 木村一基王位(1組5位)●-○梶浦宏孝六段(5組優勝)
7月23日 久保利明九段(1組3位)○-●佐々木勇気七段(2組優勝)
7月24日 丸山忠久九段(2組2位)○-●藤井聡太棋聖(3組優勝)
7月27日 佐藤康光九段(1組4位)-梶浦宏孝六段(5組優勝)
7月31日 佐藤和俊七段(1組2位)-丸山忠久九段(2組2位)
【第33期竜王戦 決勝トーナメント】
https://www.shogi.or.jp/match/ryuuou/33/hon.html