カテゴリ「第20期竜王戦七番勝負第4局」の記事 Feed

2007年11月22日 (木)

感想戦のポイントです。
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第1図は53手目▲8六歩まで。
この数手前に打たれた△5四角が絶好の位置で、「ここでは自信がなかったです」と渡辺竜王。しかし、佐藤二冠は1日目の時点で局面に不満があったようです。封じ手の局面を検討しているときに「マイナスの手しかないと思った」とまで語っていました。

ここで△6五歩▲同歩△同桂が両対局者の気付かなかった手順。以下▲6七金には△4五桂▲同歩△3三銀▲3五歩△3四銀▲同歩に△6四角が藤井九段指摘の好手(参考図)。

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▲6四歩などの嫌味を消しつつ、
▲6六歩には△5六歩を狙って味のいい攻防手です。「大変ですね」と渡辺竜王。
プロの感覚では穴熊を攻めるために桂馬を8・9筋に使いたいので、
△6五歩▲同歩△同桂の筋は盲点になるようです。
△6五同桂の攻めは将棋連盟の職員の方が発見した手だったそうで
「プロは考えにくい。アマチュア的」という両対局者。
しかし、検討を進めてみると「▲8六歩と突いちゃったので、(△6五同桂の筋は)理に適っていますね。見えないですね」と感心していました。

この後は少しずつ渡辺竜王がリードし、73手目▲7五歩が決め手。
「あっち(8七)に使うのを全然うっかりしていました」と佐藤二冠。
ここからは検討することなく、スラスラと手順を並べるだけでした。

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(本局の棋譜用紙です)

(銀杏)

両対局者の終局直後の談話です。

渡辺竜王の話
「角を打ち合ったところは自信はなかったです。と金ができてなんとかなるかなと思いました。角が使えてからはうまくいったかなと思います。(防衛まであと1勝ですが、という問いに)引き続き頑張りたいです」

佐藤二冠の話
「1日目から作戦負けっぽかったですね。もう少し早く動かなければいけなかったかもしれません。(次局は?との問いにしばらく考えてから)…闘志を燃やして指したいと思います(言い終わった後、首を傾げわずかに顔をしかめた)」

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(笑顔の多い渡辺竜王(左)。首を傾げる佐藤二冠(右))

(桜木)

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(ぐるりと報道陣が取り囲む。渡辺竜王には衛星放送のマイクが向けられている)

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(渡辺竜王)

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(佐藤二冠)

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(インタビューが終わって感想戦がはじまる)

(桜木)

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(終局直後の対局室。報道陣がなだれ込んだ)

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(勝った渡辺竜王。3勝1敗で4連覇まであと1)

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渡辺竜王。「自信はなかったけどと金が残ってなんとか…」)

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(佐藤二冠。追い詰められて硬い表情)

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(佐藤二冠。「1日目から作戦負けだったかもしれない」)

(桜木)

101手▲8五桂打を見て佐藤二冠の投了となりました。

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投了図以下、△8四玉▲7六桂△7五玉▲6五金△7六玉▲8七銀△同玉▲7八金△7六玉▲8七金打で詰みとなります(参考図)。穴熊の囲いまで攻めに使う見事な手順です。

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終局時刻は18時11分。消費時間は渡辺7時間21分、佐藤7時間47分。勝った渡辺竜王はこれで3勝1敗。
史上初の竜王4連覇に王手をかけました。第5局は11月28・29日(水・木)に山形県天童市「ほほえみの宿 滝の湯」で行われます。

(銀杏)

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18時となりました。局面は佐藤二冠が△8五歩と玉頭にイヤミをつけてきたところです。この手には▲6三とと入りながらの飛車取りがピッタリ。渡辺竜王は40分を残しています。「大勢決す」という雰囲気です。衛星放送の竜王戦中継がはじまりました。

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(終局近しということで関係者がモニターを見守る)

(桜木)

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局面は渡辺竜王が▲5四とと寄ったところまで。控え室では藤井九段らがものまねを交えたりと、にぎやかに現局面から指し継いでいました。やはり先手が優勢のようです。モニターからは「佐藤先生残り10分です」という藤田初段の声が聞こえました。佐藤二冠への秒読みがはじまっています。

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(藤井九段を中心に検討が行われている)

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(検討では一足先に終盤戦に突入。打ち歩詰めの局面になっている)

(桜木)

17時を過ぎて、嬉野市は陽が傾いてきました。 18時から45分間、衛星放送の竜王戦中継が始まります。

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(夕暮れの対局場。「和多屋別荘」)

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(陽が沈みかけてきた)

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(対局場を横断するように流れる嬉野川)

(桜木)