カテゴリ「第31期竜王戦七番勝負第2局」の記事
感想戦(1)
両対局者が大盤解説会場へ
終局直後のコメント
【勝った羽生竜王のコメント】
――本局を振り返ってください。
「少しずつ悪いのではないかと思いながらずっと指していて。難しいんでしょうけど、ちょっと悪いと思って指していました」
――1日目の午後に△7八馬(54手目)と馬を切っていったあたりの判断からでしょうか。
「そんなに成算があったわけではないんですが、全く自信がなかったので思いきっていきました」
――封じ手あたりはいかがですか。
「ちょっと悪いと思っていました」
――2日目も厳しい戦いになっていましたが、好転したのは
「大駒を取って攻める展開になったところ(96手目周辺)は難しくなったんじゃないかと思いましたが、そのあとどういう展開になるか読み切れませんでした。でもかなり際どいと思いながら指していました」
――最後の寄せも難しかったでしょうか。
「はっきり寄っているかどうかわからなかったんですが。ただこちらもゆっくりはしていられないので」
――連勝となりましたが、第3局の鹿島対局に向けて。
「いい将棋が指せるようにしっかりと準備をしたいと思います」
【敗れた広瀬八段のコメント】
――本局を振り返っていかがでしたか。
「駒得を頼りに受けに回る展開ではあったんですが。ちょっと思ったより勝ち方が難しい展開でした」
――勝負の明暗を分けたのはどのあたりですか。
「途中からは逆にこちらが苦しくなってしまったので、最後は寄せられたら仕方がないと思っていました」
――第3局への抱負をお願いします。
「内容もそうですが、結果を出せるように頑張りたいと思います」
羽生竜王が連勝
図の局面で広瀬八段が投了を告げました。消費時間は、▲広瀬7時間59分、△羽生7時間56分。七番勝負第2局は羽生竜王が制して開幕から2連勝となりました。第3局は11月1・2日(木・金)にかけて「鹿島神宮」(茨城県鹿嶋市)で行われます。
羽生竜王が決めに出る
宮地嶽神社(3)
後手優勢の評判
17時15分頃、図の局面に進んでいます。午前中は後手が角損に近い駒割でしたが、現在は▲桂香△飛の交換まで回復しています。控室では「いつの間にか竜王がよくなっていたという感じでしょうか」といった声が聞かれています。
新原・奴山古墳群
16時過ぎの局面
16時過ぎ、図の局面を迎えました。羽生竜王が7七の金で7六の銀を取り、先手が▲7六同金と応じた場面です。△5五桂の両取りを与えますが、▲5六角と活用する手があります。先手の角が5六にくると後手玉の弱点である2三の地点を狙うことができます。ですので後手は△5五桂以外の手を選ぶことになるかもしれません。羽生竜王は実戦で△3九角を選びました。飛車取りと△5七角成を見た手で、いいタイミングで△5五桂を含みに攻めを組み立てているのかもしれません。控室では「このあとひと山ふた山ありそうですね」といった声が聞かれています。