カテゴリ「第27期竜王戦七番勝負第3局」の記事 Feed

2014年11月 7日 (金)

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―― 森内竜王、凄い将棋でしたね。

森内 終盤は、はっきり負けだと思っていました。

―― ということは、どこで逆転したということになるんですか。

森内 △8六銀成と馬を取って、制空権が逆転したので。

―― 作戦的にはうまくいっていたのですか?

森内 ずっと難しいと思っていました。

―― これで1勝を挙げられましたが。

森内 勝ててよかったです。

―― 次局以降もいつも通りの心構えということで。

森内 そうですね。また頑張りたいと思います。

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―― そうとう難しかったですが、勝ちになったと思う局面はありますか。

糸谷 ちょっと……勝ちがあったんですかね。勝ちはないと思います。悪かったのが、むしろ難しくなったかなと思いました。

―― 途中は苦しいと思っていたということですね。

糸谷 ずっと苦しいと思ってたんですけど。

―― どの辺りで好転したと?

糸谷 好転はしてないと思っていたのですが……してましたですかねぇ。

―― 作戦的にはあまり芳しくなかったということですか。

糸谷 作戦は力戦にしようと思っていたのですが。やっぱり(後手の)歩得が大きいですかね。

―― 3連勝とはいきませんでしたが次局は。

糸谷 まあ切り替えまして。はい。

Dsc_0930(終局直後、大勢の報道陣が対局室になだれ込む)

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森内俊之竜王に糸谷哲郎七段が挑戦する第27期竜王戦七番勝負第3局は18時57分、132手で森内竜王の勝ちとなりました。消費時間は▲糸谷7時間56分、△森内7時間57分。際どい攻防の末、森内竜王が1勝返しました。
第4局は11月20・21日(木・金)に静岡県袋井市「葛城北の丸」で行われます。
(銀杏)

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図は△7七銀不成と桂を取った局面。△7七銀不成は△8五桂打▲8七玉△8六銀不成▲同銀△7八角以下の詰めろになっている。△7七銀不成に対し▲4五角△8三玉に▲6七角と金を抜くのも△8五桂打▲8七玉△8八金以下の詰みがある。
さて先手に妙防はあるのか。

控室では「名局賞候補か」の声も聞こえている。今シリーズ屈指の名局になったことは間違いはない。

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Dsc_0910(ギリギリの終盤に検討も熱が入る)

 

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図の△7六銀に対し、「▲同馬△同馬に▲8四桂と打って先手が勝ちだと思います。▲7四桂と打つのは詰めろになっていないので、△8七歩と垂らされて難しくなります。▲8四桂以下△8三玉▲7四銀打△9三玉▲7三銀成△同金に▲8五桂打(参考図)で。凄い終盤ですね。お互いにそれほどミスは出ていないはずです」と森下九段は話す。

Dsc_0609(今朝、対局室での森下九段) 

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17時前、△4四金まで進んでいる。▲3三角△同桂▲同銀不成△5一玉▲4四銀成が▲3一飛成
△4一歩▲4二金からの詰めろになっている。この順は控室で検討されていたもので、▲4四銀成で
先手玉が詰まないといわれていた。ここで森内竜王は何か妙手順があるのか。なければ先手が
勝ちといわれている。

Dsc_0775_2(糸谷七段が一気の3連勝か)

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▲7五銀に「決めに行った手つきです。決着をつけに行きましたね」と声がする。BSプレミアムに出演中の鈴木八段の声だ。
直後にモニターから「森内先生、残り50分です」と記録係の伊藤三段の声。時間も少なくなり、いよいよクライマックスだ。

Dsc_0905(控室の左側では対局室モニターとBSプレミアムが映し出されている。右側ではニコニコ生放送が映されている。どちらのモニター前にも人が集まる)

Dsc_0815(勝つのはどちらか。糸谷七段の3連勝か、森内竜王が1番返すか)

Dsc_0896(大内延介九段が控室へ。大内九段と田村七段が継ぎ盤をはさむ。2人は師と弟子だ。BSプレミアムの放送が始まり控室には鈴木大介八段の声が響く。鈴木八段も大内九段門下だ。大内九段はこのあと18時からSL広場にて大盤解説会を行う)

Dsc_0898(伊藤真吾五段が控室へ。伊藤(真)五段は兄弟子である飯島七段と竹部女流三段をまじえて話している)

Dsc_0901(こちらの継ぎ盤は佐々木勇気五段(左)と片上六段が継ぎ盤をはさむ。棋士、関係者で控室はにぎわいをみせている)

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Dsc_0883(解説は戸辺六段と及川六段)

「△7五桂(88手目)には▲3六飛だと思うのですが」(及川六段)
「そこで森内流の一手が分かりません。ひと目は△5一玉としたいのですが。△5一玉はプロがさらっとやる手ですよね。▲3三飛成が王手にならないという」(戸辺六段)
「△5一玉は得ですよねぇ」(及川六段)

Dsc_0885001(及川六段)

Dsc_0891(戸辺六段)